咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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【短期連載小説】 大奥★社内恋愛 3
ストライクゾーンの広いオトコ、それは罪つくりである。
社内の複数の女性と関係を持ち
その、女たちのそれぞれの想いとは・・・


※登場人物も増えて複雑化してきたので、ストーリーの終わりの一番下に、登場人物紹介コーナーを設けました。

大奥★社内恋愛 3

※このストーリーはフィクションです


早苗おかあさんらしくない、あまりの衝撃の発言に真砂子は言葉を失っていた。
「あ、大丈夫よ。子供はもう堕ろしたから。女なら、好きな人の子供は産んでみたいものだけど、さすがにイケナイわよね。だからね・・」
「あっ、あの~、カラダの方は、大丈夫ですか?」
妊娠も出産もしたことがない真砂子は、どう返してよいか分からず、ただただ、早苗おかあさんのカラダの心配をすることで精一杯だったのだ。
「中絶なんて、出産にくらべたらどーってことないのよ。手術の次の日から普通に家事をしていたし、まあ、大事をとって会社の方は休ませて頂きましたけど・・。でも、後から精神的に辛くなってきてね。子供を失った喪失感とかがワーっと来て・・。ごめんなさい。それで沢山休んでしまいました。いい年して情けないですね。ホントに・・」
早苗おかあさんが長い間会社を休んだ真相を知り、真砂子は納得していた。しかし、今だ信じられない思いだった。
「もう42だからさ、妊娠なんてしないと思っていたのよ。でも、油断しちゃったわね。あはは・・」
真砂子は、早苗おかあさんの白くて柔らかそうな肌を妙に艶かしい気持ちで眺めていた。早苗おかあさんの方もいつになく饒舌で、真砂子には“別に話さなくてもいいことを、わざわざ話している”ような気がしたのだ。
「ひょっとしてこれは、ちょっと自慢なの? 龍星と関係を持ったこととか・・実は話したくて仕方ないとか・・」
と、思い真砂子はある提案をした。
「ちょっと時間が早いけど、今から一緒にランチに行きませんか?」
真砂子は編集者としての“記者根性”がムクムクと沸き上がってきたのだ。実際の仕事は、タウン情報誌のお店の情報の記事を書くばかりで、コラムを書くことは殆どないのだが、目の前の42歳のごく普通の子持ちの主婦がどうして“婚外恋愛”に走るのか、非常に興味を持ったのだ。それから龍星と早苗おかあさんが、どういうキッカケで男女の関係になったのかも知りたいところだった。キワドイ話は、社外でした方がいいと判断したのだ。

真砂子のイチオシのオシャレなイタリアンレストランに二人は入った。落ち着いた店内なので、ゆっくり話が出来そうな雰囲気である。早苗おかあさんは、こんなオシャレな店は初めてだとソワソワしていた。まず、真砂子から切り出した。
「どういうキッカケで・・そういう関係になったのですか?」
「ふふふ・・、私が龍星とだなんて・・意外でしょ~! 私と龍星が二人っきりで会話してても、皆、疑いもしないのよね~。ま、そうでしょうけどね。そうそう、知ってました? 龍星ってね、年上女性が好みなのよ! マザコンでもありシスコンでもあるかしら。ホラ、龍星の一応本命の彼女でもある沙耶だって一応年上でしょ。梨奈だってそうだったわね。でもね、沙耶よりも梨奈よりも、実は私が一番初めに龍星と付き合ったんですよ」
真砂子は龍星が“年上女性好み”と知って、もしかしたら自分も“標的”だったのかとしみじみ思い返していた。だから、龍星から声をかけられたし、一時期はメールで繋がっていたのだと納得したのだ。
「龍星、独り暮らしでしょ。食事が困るってよく言ってたわ。だから、“私が夕ご飯作りに行くよ”って言ったら本当に喜んだわ。最初はもちろん、男女を意識していなかったわよ。私も、いかにもおかあさんキャラだしね」

「でも、旦那さんや子供も居るのに、よく家を出れたわね」
「ウチね~、旦那は毎日帰りは遅いし、出張も多いの。子供たちだって二人とも塾で帰りは夜遅いわ。しかも最近は反抗期だし。寂しい主婦なのよ。だから、龍星の為に作ってあげるとね、ホントに喜ばれてね~! それが私の喜びだし、いつしか生きがいになってたわ」
「胃袋で掴んだってわけね。・・で、それがいつしか男女関係に発展していったのかしら?」
「そうね。私が料理している姿が格好イイって! 龍星がそう言って後ろから抱きしめられたの。もう、びっくりよ。こんな私でいいの!って感じよ。太ってるし、このカラダ見たら幻滅だろうし。でも龍星、太めの女性が好きなんだって言ったわ。“自信持ってもいい”とまで言われたわ。私、夢を見てるかと思ったわ。10年以上ぶりにオンナとして扱われたし、ああ~、オンナとして生き返ってゆく~って感じで・・」
真砂子は複雑な思いで聞いていた。真砂子とて仕事に追われる毎日で、独り身だし空虚感に襲われることもある。しかし、旦那も子供も居て幸せな奥さんだと思ってた人の、影の部分を垣間見た気がしたのだ。

「ある日、龍星の部屋で抱き合ってるところを龍星の元彼女に見られたの。もう、大変な騒ぎになって。それをキッカケに元彼女と別れることになったわ。元彼女に言わせるとね、浮気したことが嫌なんじゃなくて、私のようなデブなオバサンと抱き合っていたことがショックらしかったの。元彼女はモデルのようなキレイな人だったわよ。“キ~モ~い~!”って叫んでプッツンよ」
「前に梨奈が龍星がフリーになったって言い振らしたのは、このことだったのね」
「そうよ。龍星が元彼女と別れたのは、実は私がキッカケだったのよ」
「しかし、その後、沙耶と付き合うようになったよね。それは何故・・・」
「そうなのよ。私とイイ感じだったのに、ジャマが入ったのよ」
真砂子はそこが一番知りたいところだと思い、しっかり聞きの体制に入っていた。

「実は、私も沙耶のことは詳しく分からないんだ~。ただ、沙耶が押しかけたのは事実よ。龍星がフリーと分かったとたん、サッと近づいてきたもの。あの人、負けず嫌いだからね。女の子っぽく演技して落としたのでしょう。元彼女のトラウマからか、龍星から“もう来ないで”とも言われてショックだったわ」
「でも、また戻ってきたのよね?」
「そうなの。龍星、私と居るのが一番癒されるって言って復活したわ。沙耶だと疲れるんじゃないかしら。龍星ね、やっぱり私のカラダがいいって! ふふふ。沙耶ってガリガリで胸も無いし魅力無いじゃん。まあ、エッチでめちゃくちゃ尽くすだろうから、無視は出来ないのでしょうけど」
沙耶に対するオンナとしての対抗意識に真砂子は身震いがしていた。しかし、真砂子は
「沙耶が相手の時は、“俺は太めは苦手だ。細いのが好きだ”なんて言ってるかもしれないわ」
と、密かに思っていたのだ。
「その後、頻繁に逢瀬していたら、妊娠しちゃったのよ」
「それ、龍星は知ってるの?」
「ううん。知らせないわよ。迷惑がかかるようなことはしたくないもの」
「でも、早苗おかあさん一人の問題じゃないじゃない?」
「知られると、もう逢ってくれなくなるかもしれないじゃない。そんなのはイヤよ」
真砂子は早苗おかあさんと呼ぶことに違和感を覚え始めた。何故なら、“おかあさん”でなく一人の女性として見えてしまうようになったからだ。

「私、分かっているのよ。龍星は私の“カラダ”と“ご飯”が目当てであること。“生”でやらせてくれるから・・いいのかもしれない。それが自分の価値なのよ。でも、もうヘマはしないわよ。避妊リングを入れたからね。ふふふ、これは経産婦の特権ね。・・・愚かな女と思ってるでしょ? でも、この気持ち、美人で頭も良くて男性から“引く手あまた”の編集長には分からないわよね。編集長なら、いつも男性から大事に扱われるでしょう。私だって、人並みにオンナとして愛されたいわ。でも、プライドを捨てて人並み以上に尽くさないと得られないものなのよ」
真砂子は、心の中で“それは違う”と叫んでいた。
「何年も男日照りだし、モテないし、恋愛下手だし、そのくせプライドだけは高すぎるし。龍星と男女関係にある早苗おかあさんが、むしろ羨ましいわよ」
と、思っていたのだ。
「会社辞めたら、龍星に逢えなくなるわよ」
真砂子はビシッと話題をビジネスライクに戻した。
「仕事中に龍星を見てると、色んなことが思い出されて、仕事に集中できなくなっちゃうの」
「うつつを抜かしているのね。でも複雑な想いを抱えているのは早苗おかあさんだけじゃないのよ。皆同じように、色んなこと抱えながら仕事しているの。今、就職難でしょ。年齢の問題もあるし、ココ辞めてもアテがあるかしら?」
沙耶も香奈も真砂子自身も、龍星に対する想いを抱きながら、仕事は仕事と切り替えてこなしているのだ。
「すみません。私の考えが甘かったみたいです」
「子供の学費を稼がないといけないって言ってたじゃない。あなたは“おかあさん”でもあるんだから! しっかり頑張ってよ」
「はい」
早苗おかあさんの件は、複雑な思いを抱えつつも取り合えず一件落着した。
「世間では主婦の不倫が流行ってるらしいけど、実際には、梨奈のような派手なキレイめ主婦じゃなくて、早苗おかあさんみたいなタイプが結構やるものなのね」
真砂子は今だ驚きを隠せず、今回“取材”した内容をこのように分析したのだった。

「しかし、龍星・・・あなたは何て酷い・・罪なオトコなのかしら・・」
真砂子は、社内の女性たちのココロを引っ掻き回す龍星に、恨みに似た感情すら持った。

ある日、真砂子はクライアントから香奈の仕事ぶりを褒める話を聞いた。真砂子は嬉しくなり、香奈と二人っきりになった時にこの話を伝えた。
「ふふふ・・、最近、プライベートが充実しているからかしら。毎日が楽しいと、仕事にもイイ影響が出るのかも~」
「へぇ~! 何かイイコトあったの?」
「うん! 龍星と時々会ってるのよ。あ・・と言っても、恋人とかじゃないから。友人としてね、今イイ感じなの。龍星のバンドにね、私、キーボードして加わったのよ。小さい頃からピアノをやってきたからね。バンド仲間に重宝されてるのよ。龍星とは一緒に話していて楽しいし、ホントに気が合うわ! 音楽や映画の話とか一致するし。沙耶なんかより私の方がずっと気が合うのよ。だから、龍星、私とよく会うようになったのよ」
「つかぬことかもしれないけど、やっぱり、龍星のことが今でも好きなのね・・」
「ええ、好きよ! 好きだからなるべく一緒に居たい。その為には、友人のままで男女の関係にならない方がいい・・という結論に達したの。万年片思いだけど、龍星の傍にいられたら・・私は幸せなの」
真砂子は香奈のことがいじらしく思えた。
「人を好きになるエネルギーを、イイ方向に向けてると思うわ。それは素敵よ。これからも頑張ってネ」
「ありがとうございます、編集長。私、悩んで悩んで・・自分でもすっごく嫌な気持ちになって・・でも、これじゃーいけないって思って、やっと突破できたみたい。私、もっと頑張りまっす!」
香奈は才能もあるし、人間としても大きく成長できそうだと、真砂子は応援したい気持ちになった。

一方、仕事で輝かしい香奈に対して、ここのところ冴えないのが沙耶であった。沙耶は仕事でミスを連発していた。たまりかねた真砂子は沙耶を別室へ呼んだ。
「ミスばかりして、すみません・・」
元来気の強い沙耶らしからぬ、気落ちした態度だった。
「あ、あの・・何かあったのかしら? 私で良ければ相談にのるけど・・」
真砂子は恐る恐る切り出してみた。早苗おかあさんのことや香奈のことを既に知っており、龍星の本命の彼女としてけして安泰ではない状態も理解出来ており、そのことが仕事にも影響が出ているのかと、真砂子は思っていた。
「わーーーーん・・」
突然、沙耶は泣き出した。そして、少し落ち着くと、ゆっくりと話し始めたのだ。
「龍星に別の女が居たの・・もう、ショックで何もかも手がつかなくなって・・・」
「あ、あの・・女って・・その・・」
真砂子が言いにくそうにしていると
「香奈や早苗おかあさんのことは知ってるわよ。それだけでもショックだったのに・・。でも、それは“遊び”だから未だいいのよ。さらに別の女が居たのよ! その女、自分が本命の彼女ぶっちゃってサ! もう、許せないわ!」
怒りに震えている沙耶を、真砂子は必死になだめていた。真砂子は
「私、いったい何やってんだろ・・」
自分の立場に疑問を持ち始めた。仕事以外のことに奔走していることが多いのだ。しかも“龍星絡み”の後始末ばかりだ。

「大奥総取締役」

その言葉が浮かんできた。大奥総取締役は“殿”から情をかけてもらうことはないが、秩序を保つ為に、調整役にまわるのだ。
「私、龍星のことを誰よりも一生懸命愛してるし、すごく尽くしてるのに・・、何で、私から離れようとするのかしら・・。くーー! あの女が悪いのよ~」
沙耶は相変わらず自分の主義主張をし、怒りが納まらないようだった。

<第4話へつづく>


登場人物 紹介---------------

★龍星(29歳・制作)・・・女ばかりの会社に入社したイケメン。モテ男。

★真砂子(34歳・編集長)・・・美人で仕事がデキるが恋は不得手。龍星に密かにときめいている。

★沙耶(32歳・制作)・・・制作のリーダー格で気が強い。龍星と付き合っている。龍星の前では“女の子”。

★梨奈(31歳・編集)・・・ミセスだが、龍星と友人として付き合っていると公言。派手なタイプ。夫の転勤で退職した。

★香奈(24歳・制作)・・・センスの良さが注目されている若手のホープ。一時期、龍星とメールで繋がっていた。龍星のことが好きで、追い回したり追跡したりしている。だんだん沙耶とも険悪になる。

★美夏(25歳・編集)・・・ちょっと天然な憎めない女の子。皆の前で龍星に告り玉砕する。

★早苗おかあさん(42歳・パート)・・・社内の癒し的存在。思春期の子供を持つ主婦。料理が得意。龍星と意外な関係が発覚する。

テーマ:恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル:小説・文学

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