咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第42話~「婚外恋愛の終わり方」
ミセスの恋とシングルの恋との違い。
終わったら、普通の家庭での日常が待っている。
そして、次なる目標に向かって果敢に邁進するが・・

※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第42話~「婚外恋愛の終わり方」


「実は不倫が奥さんにバレていたそうだけど、それに丸山室長が気づいたのはいつなんだろう。奥さんが打ち明けたのだろうか?」
朋乃には疑問に思うことが沢山あった。
「日帰り旅行を計画するかなり前の日のある夜、妻から『打ち明けたいこといがあるの』と言われた。そして、妻は何か意を決したような顔つきで静かに語ってくれたんだ。まず、子供のこと。ウチに障がいを持った子が居ること、朋乃チャンも知ってただろ。その子が学校でイジメに遭ってるらしく、妻もかなり悩んでいたようだ。『私、もう疲れたわ。アナタの助けが必要なの。すごく必要なの! 私には抱えている問題が多すぎる。その荷物を少し減らしてもいいかしら?』。それなのに、私は外でかなり自分勝手をしていた。私の不倫を妻が知ったら、かなり傷つくだろう。せめて、知られないように・・精一杯気を使った。家庭では、なるべく妻の力になろうとしていた。だが、それがかえって仇になってしまったようだった・・」
「奥さんは、いつぐらいから気づいていたの?」
「朋乃チャンが結婚する前。かなり初期の頃からだった・・・」

「ごめんなさいっ!! 謝らないといけないことがあるの。ひょっとしたら、バレてしまったの・・朋乃のせいかも! 朋乃ね、まるっちの家に電話したことあるんだ・・。付き合い始めて間もない頃。自分がこんなにまるっちのこと好きになるなんて思ってなくて・・、すごく奥さんに嫉妬して。おまけに奥さんって、すごい美人で知的な人って聞いていて、素敵な旦那さんと子供も居て、素敵な一軒家にも住んでいて・・。朋乃が持ってないもの皆持っていたら、すごい嫉妬して苦しくって!! だから、奥さんも朋乃みたいに苦しめばいいんだ!・・って、奥さんに電話で、『アナタの旦那さんには付き合ってる女性が居ます』っていうニュアンスのことを言ったの。もちろん具体的には言わなかったよ。朋乃もバレたら困るからね! 幸せそうな奥さんをちょっと苦しめたかったの!・・ああ、ごめんなさい。こんなことして、まるっちも苦しめることになるのに。それに、あの時は障がいのある子が居るなんて知らなかったから。人の表面だけ見て羨ましがっていたの!」
「実はその話も聞いたよ。でもね、妻はその前から気づいていたんだ。その電話で『疑いが決定的になった』って言っていた。私が朋乃チャンと初めて関係を持った翌日から、私の様子がいつもとかなり違うようで、すぐ“何かある”ってピンときたんだって。女の勘ってヤツよ。異常に優しくしてたのがかえって怪しいって!たしかに妻はこのことで苦しんだが、『夫は家庭を捨てることはゼッタイしない』って確信があったんだって。それに『相手の女性も、一時的に付き合ってるだけで、いい人が現れたらスグに結婚でもするだろう』って思えたんだって。だから、騒がないで、私にも言わず、静観することにしたそうです。『ホントは辛かったのよ。でも、アナタを信じることができたの』。私は“よくできた妻”に感動すると同時に“無理をさせた”ことを詫びた。でも妻は、ちょっと悪戯っぽく笑って言ったんだ『私はズルイの。アナタの罪滅ぼしから来る優しさを利用した。子供のことを色々してもらったし、優しくされて悪い気はしないじゃない!? 私に不倫がバレないように工面するのも大変そうなのに、アナタは一生懸命やっていて・・それを冷静に見ていた私って、かなりヤな女じゃない?』って」

「さすがまるっちの“出来すぎた奥さん”って思ってたら、そういう“人間っぽい”ところもあって、ホッとしたわ。朋乃が相当悪女だもん。ま、否定はしないけど。そっかぁ~、まるっちは、不倫がバレないように工面するために、キチンと夫婦生活も手を抜かないようにしていたのね。悔しいけどさっ。そういうところは男と女の性の違いはあるんだね~。男は不倫相手がいても妻と平然と“できる”んだね。いや~、ソコは盲点だったわ! 朋乃は、朋乃だけとしか愛し合っていないと思い込んでいたわ! まるっちは巧妙だわよ」
「朋乃チャンが結婚してからしばらくは私と関係がなかったこと、妻は見抜いてようです。この頃は、朋乃チャンのとこの家庭もウチも・・平和だったのでは? ウチは3人子供が居て、しかも一人が障がい児だし、正直、もう子供は十分だって思っていた。しかし、私と朋乃チャンの関係が復活したこと、やはり妻は見抜いてね・・・」
「逆襲したんだ~。今度は・・・」
「いや、けして逆襲なんかでは・・。復活して1年後に妻は泣きついてきた。めったに泣かない人だから・・、私は・・・」
「そ~だね~、まるっちってさ、泣きつかれると弱いもんね~! 朋乃の時もそうだったように・・」

朋乃は3本目の煙草に火をかけていた。普段、こんなにたて続けに吸うことはしなかった。
「旅行を計画して、最後の思い出づくりにしようとしたわけだ~。・・で、その後に奥さんの妊娠が発覚! 忙しいを理由に逢わないようにしていった・・でしょ! 朋乃もね、旅行の前あたりから、何だかまるっちの様子がオカシイなぁって思ってたのよ。あ~あ、ヤラレタわ! 奥さんに! ソレ、計画妊娠よ!! きっと。 まるっちを奪還するためには手段を選ばないのね。すごいわぁ~」
「計画妊娠かどうかはわからないよ。まあ、私は鈍感だから気がつかなかったのだけど。いや・・たとえ計画妊娠だったとしても・・・、朋乃チャン! 妊娠ってそんなに計画通りに行く? それがなかなか計画通りに行かないこと、朋乃チャンが一番知っているじゃない!?」
「うまいこと的中することもあるわよ! だから、悔しいんじゃん」
「妊娠が分かった時、妻はこんなことを言っていた『お腹の子が私たちを救ってくれた!』って。この言葉に頭をガツンを殴られたよ。旅行に出かける前、妻が私たちの不倫を知ってたことを打ち明けたって言ったよね。その時ね、妻は一言も『相手の女と別れて』とは言ってない。ただ『荷物を減らして・・』と言っただけ・・」

丸山室長は涙ぐんでいた。朋乃は、精一杯の笑顔を作って言った。
「ああ~もう! 負けたわ!アナタの奥さんに!! は・い・ぼ・く・か・ん! ・・・・あのねぇ、妊娠に嫉妬してるんじゃないのよ。アナタの奥さんの方が“選ばれた”ってことによ! 紛れもない現実、突きつけられたわ」
朋乃は笑顔を保とうとしたが、堪えきれず大粒の涙が頬を伝った。朋乃は、彩香が大貴と別れたエピソードを思い出した。状況が少し似ていたので、今になって彩香の気持ちが痛いほど分かったのだ。
「結婚して子供が出来ても、女として輝き続けたいと思っていた。でも、それだけのためにまるっちと男女の関係になったんじゃないよ。やっぱり、まるっちのこと、すごくすごく好きだったかも! 朋乃は初めてまるっちと飲みに行った時から、心が掻き乱されていた。こんな男に恋してる!って認めたくなかったのに、否定すればするほど気になって・・心がオカシクなりそうだった。心だけでなく、身体までもがアナタに向かう。理性では止められないの。ひょっとしたら、これが本当の恋・・愛・・?って」

朋乃は丸山室長にしがみついて泣いた。
「でも、終止符をうたなきゃ。いつかは終わらせないといけなかったのよ。心だけでも永遠でいたかったけど、ムリだとわかったわ。最後に、まるっちの家庭のこととか知って良かった。聞きにくいことも聞いたし、言えて良かった。ちゃんと事実を受け止めておかないと、勝手な憶測とか妄想を膨らませて悩むことになるでしょ? 格好良い別れ方じゃないかもしれないけど、ありがとう、まるっち!」
丸山室長も朋乃に何度も“ありがとう”と言い合ってっていた。そして
「ふわふわと甘い雰囲気なのに、頭が良くてすごい現実的。家庭では良妻なのに、小悪魔でエッチでオンナな部分がある。このギャップがたまらなく魅力的だった。自分に“力”を与えてくれていた。愛すべき女。愛していた」
とも言った。
「そんなこと言わないでよ・・逆に辛くなるから。そんなこと言われても、アナタのお・・」
朋乃は言いかけて止めた。
「アナタの奥さんには敵わないんだから! 女としても人間としても・・」
と続けたかったのだ。



丸山室長と別れた後、保育園へ行って子供たちを引き取りに行った。今日は陽斗くんも一時預かりをお願いしていた。朋乃の母が本格的に働き始めたので、もう実家には頼れないのだ。子供たちと手を繋いで歌を歌いながら歩いた。辛い別れ話をした後なのに普通に子供と接していた。
「ど~ってことはないわよ! ど~ってことはないんだから!」
そう思いながら家事をしていた。夫はいつもより少し早く帰ってきた。子供たちも喜び、幸せそうな夕食のひとときを過ごした。
「この家庭を守らなきゃ! 皆がいつまでも幸せそうに微笑んでいてほしい・・」
朋乃はそう心から思っていた。人妻が不倫恋愛から終わったら、ただ家庭に戻るだけだ。もし、これが独身の恋愛だったらどうでしょう。失恋した後は、電気も付けずに暗い部屋で一人で泣いて過ごしていたのかもしれないと思っていた。
「今はそれよりもマシ?」
夫は本日機嫌が良いらしく、朋乃に褒め言葉なんかを投げかけていた。朋乃は何ごとも無かったように夫に戻り夫婦愛を甘受していた。

トイレなどで一人になった時ふと涙がこぼれることもあるが、子持ちの主婦は忙しくなかなか一人になる時間などないのがこれ幸いである。朋乃は寝る前に夫に仕事を探したいことを再度訴えた。返事は好感触で“好きにしなさい。やってみなさい”だった。


そして、朋乃の再就職活動が始まった。目標は“30歳の誕生日までに決める!”だった。子育てが一段落した後に本格的に働くことは、朋乃の元々の希望だった。
「今まで、恋愛にうつつを抜かしてしまっていたけど、これからは心を入れ替えて、ビシッと決めてみせるわ!」
そして、ついつい
「丸山室長から素敵だ!スゴイぞ!と言わせてみせるわ!」
と思ってしまうのだ。
「前の会社の同僚たちにもギャフンと言わせたい!ミセスでママでキャリアウーマンになって輝いてみせるから!」
と意気込んでいた。

しかし、一社・・二社・・三社・・次々と不採用通知をもらう。朋乃が沢山持っていた資格も時代整合性が合わないのか殆ど役に立たない。子持ちであることもウィークポイントであった。多くの会社から
「子供が居なければいいんだけどねぇ・・」
「アナタの子供、未だ小さいじゃない。残業できる?」
などと言われた。

不採用通知が二桁台になった。さすがに朋乃は落ち込んだ。人格が否定されたかのように辛かった。
「甘かった!」
朋乃は初めて現実を突きつけられた。
「子供が出来て辞めると、こんなにも再就職が大変だなんて! だから、皆、なるべく育児休暇を取ろうとするんだな・・」
そして、次の面接会場へ向かう途中、歩いていると、突然息が苦しくなった。朋乃はその場に倒れ、突然の発作で苦しくてうずくまる。意識が遠のく・・
「な、なに・・。朋乃、死ぬの・・・」

<第42和終わり、第43話へ続く>

テーマ:自作恋愛連載小説 - ジャンル:小説・文学

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