咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第41話~「女の勘」
ずっと“親友” でいたかったのに。
どうする? 乗り越える? それとも・・・・。


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第41話~「女の勘」


朋乃は夫の話が嘘デタラメであってほしいと思っていた。
「え~~! ホントぉ~。でもそれ、聞いた話でしょ? ホントかどうか分かんないじゃな~い?!」
「いや! 丸山室長の奥さんが産婦人科へ受診したらしいのよ。妊娠間違いないとのことらしいけど・・。 いや~室長はやることはやってるんだな~! あそこの3番目の子とかなり年の離れた子になるなぁ~。多分予定外だよな。室長! 酔った勢いで・・とかだったりして~」
「も~! そんな下品な言い方止めてよ! サイテー! あのねぇ~、産婦人科って何も妊婦ばかり診る所じゃないのよ。子宮の病気とか、今は多いんだから!」
「何でそんなにムキになるんだよ。ま、ちょっと言いすぎたけどな・・」

その夜、朋乃は眠れなかった。ベッドを抜け出して、パジャマ姿のまま、夜のテラスで呆然としていた。
「忙しいを理由に最近逢わないのは実はそのせいだったのか・・。既に3人の子供が居るから、もう作らないと思ってたのに。でも、それは単なる思い込みだった。ウチは夫婦生活は無いけど、相手も同じだとは限らないのね。まるっち既婚だもの。夫婦生活が普通にあっても子供も出来てもおかしくないじゃない・・」
朋乃の頭の中はかなり混乱していた。やはりショックを隠せない。ここへきて、今まで無関心だった“相手の奥さん”が浮上してきて、胸の奥が締め付けられる思いをしていた。
「明日、まるっちに直接聞いてみよう!」
そう気持ちにケリを付けて、朋乃はベッドへ戻った。

寝不足で頭が重い中、朋乃は会社へ電話を入れた。相手は丸山室長でなく沢田にだった。在宅の仕事を辞めると、ハッキリ言ったのだ。沢田の返答は実にあっさりしたもので、まるで朋乃が辞めるのを待ってたかのようだった。めったに無い仕事をいつ来るか?と期待して待つのも辛いし、スッキリさせたかったのだ。それともう1つ、朋乃は、辞める件を丸山室長にも伝えるように沢田に念押しした。そうしたら、丸山室長の方から“引き留め”の言葉があるかもしれないと思ったのだ。

だが、昨夜、丸山室長に直接聞こうと誓った“奥さんの妊娠の件”は、いざとなったら聞くことが出来なかった。もし、事実だとしたら受け止めるのが怖かったのだ。しかし、夕方まで待っても丸山室長からいっこうに連絡が無かった。しびれを切らした朋乃は丸山室長にメールをした。返事は
「残念です。ずっと続けてほしかったよ」
とだけで、素っ気なかった。
「やっぱり、まるっちは変だ」
女の勘かもしれないがそう思わずにはいられなかった。重い1日を終え眠りにつこうとすると、丸山室長からメールが来ていた。内容は
「今やっと仕事が終わったよ。日中は素っ気無いメールでごめんね。約束の予定より早くなるけど、よかったら今度○日に逢わないか?」
朋乃は即座にOKの返事のメールを送った。


丸山室長との約束の日になり、待ち合わせのカフェへ向かった。朋乃は丸山室長を見るなり涙が溢れてきた。すると周りが注目し始めたので、丸山室長は駐車場まで朋乃を連れて行った。立体駐車場の館内で、朋乃は人目もはばからず丸山室長に抱きついて思いっきり泣いた。
「あの・・・あのね、朋乃チャン。実はね・・ちょっと申し訳にくいんだけど・・」
「ダメ! 待って! 何も言わないで!! お願いよ、何も言わないでこのままホテルへ行って! 抱いてほしいの。今すぐ!」
丸山室長は悲しそうな顔をしたまま、無言でいつものホテルまで車を走らせた。そして抱かれた。この数日間で抱いた不安な想い、全てをぶつけるようだった。丸山室長は、朋乃の頭をよく撫でていた。優しく優しく・・・朋乃の想いを受け止めてあげてるかのようだった。だが、いつもよりも申し訳なさそうだった。

朋乃はバッグから煙草を取り出し、ベッドの上で吸い、ゆっくりと煙を吐いた。
「話があるんでしょ?」
丸山室長は、そんな朋乃の仕草に驚いていた。朋乃は男性の前では喫煙姿なんて絶対見せない人だった。それをあえてやって見せたのだ。
「すまん!! 全て私が悪い!! お願いです。別れてほしいんです!! お願いします!!」
丸山室長はベッドの下で床に頭をこすり付けて土下座をした。それを朋乃は上から目線で冷ややかに見ていた。
「子供が出来たんでしょ? 奥さんに!」
丸山室長は土下座をしたまま頷いた。朋乃はやや強めの口調で言った。
「もう止めてくれます? いつまでもそんな情けない格好! さあ、立って! あっちのテーブルでお話しましょう」
朋乃は、立体駐車場で思いっきり泣いて、ベッドの上で激しく想いをぶつけるように抱き合ったせいか、涙も出し尽くしたかのように冷静でいた。
「ずーっと“親友”で居たかったんだけどな。でも本当に男と女の“親友”だったら、奥さんの妊娠だって、別にどーってことなく思うでしょう。でも、ダメだわ。ああ、つくづくどっぷり男と女だったんだわ~。まあ、朋乃自身がそんな風に持っていったんだけどね。朋乃からムリヤリ迫られて・・・悪かったわ~なんて思ってるわ。まるっちは、朋乃のこと『なぐさめてあげないといけない』って思ってたからなんでしょ?」
「違うよ! 私は朋乃チャンが大好きだった。いつも元気を貰っていたのは、この私の方なんだよ。こう見えても私はコンプレックスの塊りだし、私みたいな男を愛してくれるなんて!こんなに嬉しいことはない。私に自信を相当与えてくれたよ。・・・けど、私はちょっと調子に乗りすぎていたのかもしれないなぁ」
「そっかぁ~! まるっちが室長に出世したのは、朋乃のお陰かぁ~!」
丸山室長は、笑顔で頷いていた。

「出世だけならいいけど、“奥さんの妊娠”というオマケまで付いてきちゃったわよ。男って自信を持つと・・・スゴイわね~!」
嫌味たっぷりに朋乃は言い放った。さらに、嫌味を続けた。
「ウチは夫婦生活なんてないけど、まるっちの所は違ってたんだ~。ま、ウチと同じって考えるほうがオカシイんだけど。それに、3人も子供が居るから、もう作らないと思ってた。あ、それも勝手な思い込みね・・」
「ウチの家庭のこと・・・話してもいいですか?」
「ど~おぞ! もう、別れたんだしさ。今まで気を使ってくれてて・・どうも~!ですぅ~。あ、そうそう、まるっちってさ、家庭でさ~、もう、異常なくらい奥さんや子供に優しくしてなかった? まるっちの性格上、多分そうだと思うのね~! 罪滅ぼしでさ~。・・・・アレってさ~、クッククク・・・バレないつもりがさ~、実は一番バレバレだったりするんだよね~! アハハハハ~」
「はい。・・・女性って、本当に勘が鋭いですね。妻は全て気づいてました」

<第41話終わり、第42話へ続く>

テーマ:自作恋愛連載小説 - ジャンル:小説・文学

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