咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

B A B Y  D O L L ~第6話~「オフィスラブ・下克上」
オフィスでの駆け引き合戦。可愛ゆく甘ったるい武装のファイター朋乃は、どうゆう作戦に出るのか!?


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第6話~「オフィスラブ・下克上」


基本的に定時で即刻帰る。これが朋乃のスタンスである。“要領のいいヤツ“と影口を叩く人もいるが、コピー一つ、ファイリング一つ、どうしたら早く正確にこなせるのか! 朋乃なりに知恵を働かせて取り掛かかっている。仕事が早いのは実力の賜物だと捉えてるので、残業しないことに罪悪感は持たない。

「定時で堂々と帰れるのは、事務職OLの特権じゃない!!」
そう言ってサッと着替え、会社を後にする。朋乃は退社後に向かう場所があった。

朋乃の私服は、ギャル系で(女子大生時代より、少しお姉さん的)派手目なので、社内の多くの人から
「合コンか男と夜遊びだろう」と思われていた。

しかし、朋乃の向かった場所は何と!“クッキング教室”であった。エプロンを付けて、本日のテーマである“和食の基本”を学ぶ。朋乃は週に3日は習い事のスケジュールを入れている。他には、“フラワーデザイン”、それと“マナー講座”である。そう・・

バリバリの花嫁修業であった。

習い事が終わった後や空き時間には、相変わらずボーイフレンドとのデートだ。但し、女子大生の頃に比べて人数はセーブしてきている。そして、なるべく質のいい合コンに参加するように心がけている。頭の片隅に、どこかケッコンを意識したものになりつつあった。

「誰よりも早く結婚するゾ!」
と、高らかに掲げておきながら
「実際には、結婚って一筋縄では行かないわ・・」
と、少々弱気になることもある。例え条件が整っていて、アプローチされていても、何となく決心が出来ない何かがあるのだ。そんな時、ロマンチックに盛り上がって→デキちゃった!→迷いなく結婚!!を遂行した彩香を、少々羨ましいとすら思ったりもした。




ある日、オフィスでコピーを使った後、振り向き様に朋乃は人とぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい・・」
ぶつかった相手は、丸山部長だった。丸山部長の持っていた書類が床に散らばり、朋乃はそれを拾い上げた。
「あれ、この翻訳、間違ってないですか!」
丸山部長は眉尻を下げながら
「そ~なんだよぉ~! 早く発注しないといけないし、時間がないし、困っちゃってね・・」
「では、私で良ければやらせて頂けませんか? 速攻訂正しますよ」
「え~、君は確か事務の・・。翻訳が出来るのかい? まあ、間違いを指摘出来たくらいだからな~。 では、お願いしちゃっていいかい?」

朋乃は丸山部長のお願いを快く引き受け、速攻で取り掛かった。この間違いだらけの書類を作成したのは高尾である。
「総合職で張り切ってるようだけど、何となく空回りしてないかい?」
高尾の英語力の無さに朋乃は優越感を持った。

30分ぐらいで仕上げると、丸山部長は顔をくしゃくしゃにして、たいそう喜んだ。 丸山部長は背が低く太っていて、顔も雰囲気もデブを売りにしているある芸能人にソックリである。奥さんも子供も居るそうだけど
「奥さんは、この人の人柄で結婚を決めたのかしら?」
と、朋乃は心で呟いた。およそ、恋愛の対象には全くならない人だと思った。



入社して、あっと言う間に1年が過ぎた。朝礼の後、フロアー全体で“社内プレゼン”が行われることが発表された。3チームに別れて競い合い、社内の上層部の審査で勝ったチームが、クライアントへ直接プレゼンへ行ける、という仕組みだ。社内で競わせて、士気を高めよう!というのが、上層部の狙いのようだ。

朋乃は、何と上岡課長と同じチームに配属された。 社内の女性陣のベタな憧れの的の上岡課長である。

上層部以外の人たちは、本音では社内で社員同士で競い合いたくないのだ。それに、プレゼン以外にも他の仕事は沢山かかえてあるし、プレゼンにあまり乗り気でないのだ。しかし、上岡課長と同じチームの朋乃に、女性たちの嫉妬の視線が容赦なく投げかけられた。別の事情で競いが勃発しそうである。

「なによ! 同じチームに配属されたのは確かにチャンスよ! でも未だモノにしてないし、チャンスは活かしてこそチャンスというものよ!!」
と、朋乃は闘争心を内に秘め、奮起していた。


そして、社内プレゼンの火ぶたは切られた。だが、皆、日々の仕事に追われ、なかなかプレゼンどころではない。
「うーん、何だか忙しくってぇ~! 全然、やれてないわぁ!! 今回、ウチのチームはダメかもぉ~!」
朋乃は周りに聞こえるような声で、言い放ち、相変わらず定時で、派手な私服でサッサと帰っていった。
「上岡課長も忙しいみたいだし、確かにあのチームは、やる気無さそうだわね。ならばウチのチームも、あまり一生懸命やっても何も得にならない気がするね・・」
と、周りにそう思われた。



そんなある日、朋乃は早紀先輩と化粧室で一緒になった。相変わらずベビードールの香りをプンプン漂わせてる。
「アナタ、上岡課長と外で一緒に歩いていたんですって? たまたま見かけた人がいるらしいんだけど・・」
そう早紀先輩から切り出されると、すかざす朋乃は言った。
「いいえ、人違いです。上岡課長は仕事をする上で尊敬できる方ですけど、ハッキリ言ってタイプではありません。それにあたし、付き合っている人が居ますし・・」
「そうね。それに上岡課長には長い付き合いの彼女が居るしね」
「あの・・・そのことなんですけど、あたし、上岡課長に直接聞いたんです。もちろん社内でですよ。打ち合わせ中にね。実はね・・その彼女とは別れたんですって!!」
その話を聞いて、早紀は青ざめた顔をして、汗ばんだ手先は小刻みにプルプル震えていた。
「う、うそ・・。じ、じゃあ・・彼は今フリーなのね。・・・じ、じゃああ~! 彼にアタックしてみよっかなぁ~!!」
「頑張ってネ! 早紀先輩。私も応援してるわ!!」




次の日、朝礼で
「本日は重大発表がある。まず、プレゼンは、上岡課長のチームで決定・採用となった。さらに・・重大発表がある!! それは・・・上岡課長と朋乃君が正式婚約となった・・」

「ええええええ!!!!」
社内は沸いた。朝礼が終わった後、朋乃の前を、目を真っ赤にさせた早紀先輩が、一瞬すごい形相で睨みつけて横切り、走って出て行くのが見えた。


展開が随分早いが、朋乃は一体どうやって婚約まで取りつけたのか!? 次回から、さかのぼってお話することにする。 

<第6話終わり・7話へ続く>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://sakuya39.blog24.fc2.com/tb.php/7-4ffe6a43
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。