咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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【短期連載小説】 大奥★社内恋愛 1
もしも、女ばかりの会社に、目の覚めるようなイケメンが入社して来たら・・・
さあ、大変です!!


大奥★社内恋愛 1

※このストーリーはフィクションです



真砂子の職場は女ばかりである。真砂子は今年で34歳になるが、彼氏もここ数年ほど居ない。
「こんな女ばかりの職場で出会いなんて、なかなか・・」
他の女性たちも同じ考えであった。顔を合わせれば、こんな話題ばかり。何となく冴えない空気が流れる。

真砂子の職場はタウン情報誌の編集と制作を担っており、真砂子はその“編集長”を務めていた。だが、編集長といっても実質名ばかりで、雑用係と自嘲していた。女ばかりの職場と言ったが、実際には3人ほどの男性が居る。1人は真砂子の上司でもある部長、他には編集に2名。だが、全員“既婚”であり“論外”であった。

部長は40代後半で社内の嫌われ者であった。変な話、部長が嫌われ者の悪役であることで、以下社員全員が団結し纏まるという現象が起きていたのだった。

女ばかりの職場のメリットと言えば、セクハラが無いことである。下ネタ1つ話しづらい雰囲気があった。それから、仕事内容に男女差はない。こういう環境下では、女性はどんどん強くなっていく。皆、朝から夜まで忙しく働き、ヒマでない為か、女ばかりであっても意外と人間関係で揉めることは無かった。
「つまらないことで揉めるのは、絶対ヒマだからよ」
と、真砂子も常日頃から思っていた。だが、仕事のデキる“強い女”集団には、悲しからずや男性たちは遠のいてゆく傾向だ。結果、“男の居ない人”ばかりだし、変な話、このことでも女同士でいい意味で纏まっていたのだ。

「あ~あ、何かこう~! 目の覚めるようなイケメンが入社して来ないかなぁ~!」
入社2ヶ月目の編集の美夏が嘆くと、他の女性は全員首を横に振った。
「あっ、あたしが入社した時も、『チッ、また女かよ』って、全員の視線がブーイング~って感じだったもんね~」
やや天然っぽい美夏が言うと憎めず、笑いを誘った。

しかし、イケメンが入社するという、夢のような妄想のような話が数日後に現実に起こったのだから、もう社内は大変な事態になってしまうのだ。


そのイケメンの名前は龍星といい、29歳、もちろん独身であった。制作に配属になった。龍星は背も高く、服もヘアスタイルもオシャレで、独り暮らしで、趣味は音楽でバンドを結成しギターとボーカルを担当しているとのことだった。性格もはっちゃけていてノリが良い。これだけモテる要素を持ってる男性はそうそう居ないだろう。だが、社内の女性陣の反応はいうと・・・、今まで仕事中毒で“男免疫”が出来てないせいか、龍星に対してややよそよそしいムードだった。特に誰かが積極的にアタックを仕掛ける風でもなく
「あれだけイイ男だもん。ゼッタイ彼女居るよね~」
と、むしろ諦めムードだった。

そんな中、編集の梨奈がプライベートで龍星と一緒に音楽ライブに行ったと話題になった。だが、梨奈は女性社員の中で唯一ミセスだったので、恋人になったというのでなく単なる友人付き合いの延長だろうと思われた。梨奈は、普段から行動が派手めで目立ちたがり屋で“手の早い”性格だった。
「龍星は、私の数ある男友だちの中でも最高よ。すっごい気が合うのよ、私たち」
梨奈は、龍星と出かけたことも自分から言いふらしたようだった。

このことが、社内の女性たちに火を付けたようだった。なるべく龍星と話をする機会を持とうと、女性たちは必死になっていた。編集長として皆を纏める立場に居る真砂子も、嫌な予感を持った。
「今まで何となく保っていた社内の均衡が、ガタガタと崩れ始めるわ・・」

だが、コトの発端の梨奈が退職することになった。理由は梨奈の夫の転勤の為だった。何となく社内に安堵の空気が流れた。だが、梨奈は爆弾発言を投下した。
「龍星ね、今、フリーなんだって! 彼女と別れたばっかりよ~ん」
そのことで、女性たちはますますざわめき始めた。真砂子は不安になったが、そうもしていられなかった。梨奈の送別会と龍星の歓迎会を同時に行うことを、社内メールで社員全員に送った。すると、案の定、女性たちは
「決戦は今度の飲み会!」「何、着て行こうかしら~」「美容院にも行かなきゃ~」
と、そわそわし、真砂子はため息をついていた。

「良かったら、何か宴会芸をしませんか? ただ普通に飲み会するだけじゃー面白くないでしょう。俺、盛り上げるの大好きなんっすよ! どうせやるなら楽しく行きましょうよ! ネッ」
ハッと真砂子が振り返ると、龍星が真砂子に直接話しかけて来たのだった。
「うっ・・やっぱりイイ男よね。女性たちがざわつくのも仕方ないわ~」
真砂子はポーっとなって、カラダの力が抜けそうになったが、すぐに冷静に編集長の顔になった。
「そうね。いいアイデアね。せっかくだから何かしましょうか。内容は・・あなたに全て任せるわ!」
「ホントですか! 何か思いついたらメールしますよ。あのー、携帯のメルアド教えてくれませんか?」
「ええーっ、携帯の方の?」
「ダメっすか? 編集長忙しいし、携帯の方がいいかと思って・・・」
真砂子はビックリしたが、お互いの携帯メールアドレスを登録し合ったのだった。

それから、時々、真砂子の携帯に龍星からのメールが来るようになった。メールは夜、帰宅しているであろう時間帯に来ることが多かった。真砂子は仕事が終わった時、充実感と同時に孤独感にも襲われることがあった。そんな時に来る龍星のメールについトキメキを覚えてしまう。内容は飲み会のことと、業務内容のことだが、文章の合間にプライベート的な質問を織り込むこともあった。
「龍星は、何故私とメールのやりとりをするのかしら? ひょっとして、ちょっとだけ私に気があるの?」
そう考えると真砂子はカラダが熱くなった。そうしてるうちに龍星からメールが来た。
「真砂子さんは、美人で仕事がデキていかにもキャリアウーマンって感じだけど、ちょっと取っつきにくい雰囲気がありました。でも思ってたよりも気さくで話やすくて、癒されます♪」
ドキュン!! 真砂子はハートに矢を射抜かれてしまった。自分も龍星に気があるとの返信をしょうとしたが、考えたあげく無難な返信にしてしまった。
「龍星よりも5つも年上だし、モテモテの龍星がこんな私なんかマジに相手にするわけないわよね・・」
本当は、編集長としての立場でものを考えないといけないのに、真砂子はつい“一人の女”になって考えを巡らせていた。
「社内の女性たちが皆、虎視眈々と龍星を狙っている中、私一人が独占してしまったら、女性たちの嫉妬もスゴイだろうなぁ・・」
単にメールのやりとりをしてるだけなのに、まるで龍星と恋人同士な気分にまで一人で妄想で盛り上がってしまうのだった。

その夜、真砂子はシャワーを浴びて寛いでいた。
「そろそろ龍星からメールが来るかしら?」
だが、いつまで待っても一向に来ないので、真砂子は自分から話題を作ってメールを送った。だが、それでもメールが来ることは無かった。何度も自分から送るのは変だし、真砂子はヘンなところでプライドが高いのだ。

次の日、龍星に話しかけてみるが、龍星は冷ややかな顔でそっけなかった。
「どうして、どうして! 一体何があったの? この間まですごくフレンドリーだったのに!」
真砂子は心が寒々としていくのを覚え、堪えきれずトイレに篭って一人で泣いた。無敵のキャリアウーマンのように思われ、仕事のトラブルも泣き事言わずに難なくこなす真砂子だが、恋に関しては、“まるで中学生みたいだな”と思ったのだった。

そして、その夜も、次の夜も、また次の夜も・・・メールが来ることはなかった。真砂子は、これだけのことで傷つき心の痛みを覚えたが、社内の女性たちに悟られぬよう気丈に仕事をこなした。だが、何故、突然メールが来なくなったのか!・・その理由が知りたくて堪らない思いをしていた。自動販売機へドリンクを買いに行こうとする龍星を、真砂子はついに追いかけていた。

<第2話へ つづく>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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