咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第5話~「リアリスト・ファイター」
現実的な人は、夢を見ている時間も惜しく(その間にも時間は過ぎ去り、年も取るから)、夢を確実に現実にしないと気が済まない。


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第5話~「リアリスト・ファイター」
 

教授室に呼ばれた朋乃は、指示通りに革のソファに腰を下ろす。朋乃は、ミニスカートからのぞく太ももを露に足を組み直すと、向かい側に座っている教授は、一点を上目使いでじっーと見つめ、ゴクンと息を飲む。教授は50代後半くらい。端正な顔にちょい悪オヤジ風で、女子学生と付き合ったとか艶っぽい噂もある。

ひと通り話が終わると、教授は自らドアを開けて見送り、朋乃は深々と頭を下げて教授室を後にした。

「朋乃に対しては、えらく紳士的だったじゃん!」
教授から手を付けられる女子学生っていったいどんな子なんだろうと考えていた。
「彩香みたいな子かしら?」
一瞬、朋乃は彩香が教授から押し倒されてる映像を想像した。
「ありうる・・」
朋乃はガードが固く、容易に不法進入出来無いようになっているのかもしれない。

教授の話というのは、朋乃の内定してる会社より、“是非、総合職に!”との推薦だった。朋乃のスキルに注目したようだった。しかし、朋乃は丁寧に断った。事務職で十分だった。
「今は、デキる女性がバリバリ活躍する時代だよ!」
と、教授もプッシュした。海外へ飛び回ったりバリバリ仕事する。それに魅力がないわけではない。
「でも、婚期が遅れてしまうじゃない・・」
と、教授には言わなかったけど、そう強く思ってしまったのだ。もう、覚醒されてしまった“女の業”は止められない。人生で大事なのは何か! 価値観は人それぞれであろう。朋乃の場合は、リクツじゃない本能のようなものの方が勝り、瞬時に“バリバリ仕事する”方にブレーキがかかってしまったのだ。だが、正直それは少し息苦しくもあった。
「いずれバリバリ仕事してはみたいわ!・・・でもね、その前に“するコト”があるのよ!! それを先にしないとね!」



季節は、木枯らしが舞うようになり、朋乃は早々に卒論を仕上げ提出した。テーマは『女の本能と行動学』。
「女を武器に世の中を渡り歩く朋乃らしいわね!」
と、キャンパスで噂になった。
「本望だわ!!」
と、相変わらず強気の朋乃だ。


季節は、桜が舞うようになり、朋乃は新社会人として入社した。そこには、朋乃の大学の同級生の女性、高尾も居た。彼女は、皆から苗字を呼び捨てで呼ばれていた。

女性の人生は、苗字で呼ばれるか、下の名前で呼ばれるかで決まると言っても過言でない。苗字、又は苗字が元になってるニックネームで呼ばれる場合は、大概同性にウケが良い。だが、下の名前の場合は、どちらかと言えば男性にウケが良く、甘え上手で恋上手なイメージだ。

高尾は、総合職を希望し、実力で入社を勝ち取ったと言われている。短い髪に化粧っ気のない顔、そして男っ気が全くないという、そんな雰囲気だ。低めの声で落ちついたしゃべり方は、年配の女性から好印象を持たれそうな印象だ。

「海外出張もバリバリこなせる、キャリアウーマンを目指すわ!!」
と、入社早々高尾はかなり意気込んでいる。
「ねえ、この会社、イイ男がいっぱい居そうじゃなぁ~い! 高尾は結婚とか興味ないの?」 
と、朋乃は意識調査として話題を振ってみた。
「うーん、まずバリバリ仕事がしたい!! 結婚は30歳くらいでもいいかなぁ~」
「ええーっ! 30代で結婚できる!って思ってるの?」
「今、そんなの全然珍しくないしね。今よりもっと自分を磨いていきたいの! そんな時、そんな自分に相応しい人が現れるんじゃないかしら。欲を言えば、年収1000万はある仕事のデキる素敵な男性が理想だわぁ! それから、結婚後も働きたいわぁ~」
高尾は、朋乃が蹴った総合職で、“これでもかっ!”ってくらい、夢を語ってくれた。朋乃は、高尾がその容姿で“30代で結婚できる”って思ってるところがスゴイと思った。 年を取れば結婚のチャンスも減るし、子供も出来にくくなるし、高尾の想いは現実感には欠けてる気がすると思ったのだ。はたまた朋乃が現実的すぎて魅力のないツマラナイ人間なのだろうか。そうとも思ったが、朋乃は間違ってナイと思いたかった。人の価値観は様々である。


コンプレックス。これらは、何かを動かす原動力になるんだろうか。 多くの人は、モテないから勉強がデキる人や仕事がデキる人を目指す。しかし朋乃の場合は、モテたいから、モテるように研究してモテるようになるという考えだ。
「誰かに振り向いてもらいたくて、貢いだり尽くしたり。“何でそこまでするのだろう”ってよく思う。そこまで人を想うキモチって、いったい何?」
そういえば、朋乃は、未だ恋に恋することを経験してないのだ。恋が、ひどく非現実的でムダな行為にも見えていた。


入社式、新人研修、あっという間に半年ほど過ぎた。仕事にも慣れ、もともともの覚えの良い朋乃。さっそく職場内でも活躍し重宝されていた。OLになっても可愛ゆい甘ったるい雰囲気で、愛想も良く、職場の男性からも人気上々だ。

朋乃は席を外し、化粧室へ出かけると、そこには先輩OLの早紀が居た。早紀先輩は朋乃の視線を察知すると、化粧ポーチから香水瓶を取り出し、シュッとひと吹きさせた。
ベビードールですか?」 ※イブサンローランの香水
すかさず朋乃は早紀先輩に話しかけた。
「そうよ。私が愛用してる香りよ!!」
甘ったるくて、ふわふわ、まさに“女の子”を思わせるその香りは、朋乃の方が似合う!!と思ったのだ。

基本的にモノ(ブランド)には“誰誰のモノ”との指定はないハズだ。しかし、OLという人種は
「コレは、“私のだから!!” アナタは真似しないでよっ」
と、暗に誇示したがるのだ。

「この香りを身に付けると、幸せな結婚ができるんですってよ」
と、早紀先輩は喜々として言う。朋乃とて、そんな都市伝説くらいは知ってる。
「今だ、こんなコトを信じてる人が居るなんて!!」
と、朋乃は笑い出すのを必死に堪えたのだ。さらに、早紀先輩は話を続けた。
「上岡課長ってさ、社内の女の子たちにスゴイ人気があるんだけど・・」
「ええ。素敵な方ですよね」
「ココだけの秘密よ! 上岡課長にはさぁ、8年越しの彼女が居るんだよね~」
「へっえ~! 8年も付き合っていて、どうして結婚しないんですか?」
「さぁ~ね! オトナの事情ってヤツかしら」
朋乃には、早紀先輩の言わんとしてることがすぐ分かったのだ。
「“上岡課長に手を出すな!”ってことかしらね。彼女が居るとの真相は怪しいけど、“私がツバ付けてるんだから!”と主張したいのね。“ベビードールは私のよ”みたいな。朋乃が上岡課長を狙ってるとでも思ったのかしら? 残念ながら・・・今、気づいたわよ!! 彼を狙っちゃおうかしら!って!!」
と、早紀先輩に悟られないように心の中で呟いていた。


帰宅した朋乃は、録画しておいた格闘技を再生して見た。朋乃は、可愛ゆい顔に似ず、実は格闘技観戦が大好きなのだ。ファイターとは、何か自分と通じるものを感じるのかもしれない。

甘ったるく可愛ゆい“武装”をした、“美しきファイター!!” それが朋乃の真の姿だ。

<第5話終わり、6話へ続く>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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