咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L  ~第24話~「空気を変える女と、読めない女」
空気が読めない女もいれば
空気をイイ方向へ変える女もいるのです。

※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L



~第24話~「空気を変える女と、読めない女」


朋乃は、つくづくいい男に恵まれていると思っていた。夫も丸山部長もそうだし、昔のボーイフレンド達だって、朋乃には紳士的で無理じいはしなかった。
「それに比べて彩香の男ときたらヒドイもんよねぇ~」
朋乃はそんなことを考えていると、彩香からメールが来た。

「ママ友が出来たの! 超うれしい☆」
ちょうど朋乃もヒマだったので、しばらく携帯でやりとりを交わした。彩香によると、公園で子供を遊ばせに来ているママさん達に話しかけ、クーポン券のことを切り出してみたのだそうだ。すると結構反応が良く、“早速、皆でランチしょう”ということになったのだ。彩香はママさんたちから大変喜ばれて、レストランではお喋りで盛り上がったと言う。“これからも行こうね”という事になり、このママさんたちのグループに入れてもらえることになったそうだ。

「ママさんたちは、皆30歳前後くらいかな。今って、子供を産むのはその位の年齢なのね。あたしは、若いのによくやってる!・・って褒められちゃった。つくづく思ったのは、今まで寂しかったんだなぁ~って。だから、ロクでもない男について行ったりしたんだわ。これからは、女友だちを大事にしたいわ」
「彩香もだいぶ落ち着いてきたわね・・」
と、朋乃は関心していた。
「幸せな家庭って何だろう? あたしは物心ついた時からママと二人だけだから、普通の家庭ってのがよく分からないの。結婚して子育てして・・、殆ど美月と二人っきりだけど、これが幸せなのかな・・?って思いながらやって来たけど、何処に行っても普通にパパが居て家族連れなのよね。ハッピー・パークでも家族連ればかりだし。母子家庭だったあたしは、パパの居る家族連れに憧れたのに、今はけして母子家庭なんかじゃないのに! まるで母子家庭と同じだわ。まあ、パパが忙しいから仕方ないのだけど・・」
「ごめん! ちょっと責任感じちゃう。クーポン券のお陰でますます忙しくなって、ますます休みが少なくなってるのかも・・」
「ううん。月に3日はまるまる休みだし、半日休も結構あるわ。少しの時間でも、何処かへ連れて行ってくれればいいのに、いつも疲れた~って・・ぐったりしてるだけ・・」
朋乃は、彩香の家庭の陰の部分を垣間見た気がした。
「幸せっていうのは、自分たちで創造していくものなのに、この二人は“幸せにしてよっ!”・・と、お互いが相手に依存しきっている。朋乃は、大学時代からM男君のことを知っているが、“いい人”ではあるけど、“相手(特に女の子)を喜ばせてあげよう~”って言うサービス精神は持ち得ていないかも」
と、分析していた。
「その点、店長は嫌なヤツだけど、女をいい気分にさせる術は心得ていて、彩香に対してそれを発揮した。まあ、店長の場合は下心から来てるのだけど。それでも食い付いた彩香は、よっぽど幸せに飢えていたのだろうね」
と、思っていた。
「良かったら、朋乃がハッピー・パークでも何処でも連れて行ってあげるよ」
「ありがとう。あ、パパの店ね、すんごい繁盛してるんだって! 多分朋乃さんのクーポン券のお陰だよ! パパによると、リピーターらしき人も多いんだって! あの店長も、忙しそうに走り回ってるらしいわ。ふふふ。あれから1度も連絡はナイし、そんなヒマもないのかもね。ホントありがとう! 朋乃さんのお陰だわ」
素直なところが彩香の良いところだと、朋乃は思っていた。


次の日出勤すると、朋乃は綾さんの格好にびっくり仰天した。何故なら、メイド服を着ていたからだ。
「ああ~コレね! そりゃ~びっくりするわよね、ははは~! 実は、今日の展示会のコスチュームよん! 普通にやったって面白くないじゃんね。我が社のブースに集客するよう仕向けないと! うーーん、でもちょっとキモいよね。私じゃ・・ははは~!・・・・・あっ、そうだっ!!・・・・」
「えええーーーっ、朋乃が着るの?」
と、戸惑いながらも更衣室へ着替えに行った。制服のベストを脱ぐと、綾さんが背後から近づいてきた。朋乃は女ながらにドキリとした。
「この様子を誰かに見られたら、レズとか・・誤解を受けるだろうな・・」
そう朋乃が思っていると
「朋乃ちゃんって、白いブラウスにタイトスカート、そんな飾りっけのないシンプルかつ清楚なスタイルがホントよく似合うわ! 髪もね・・、キッチリ巻くよりすこしルーズ巻きにした方が・・。うん、いい感じ。清楚な色気があるのよね~。オトコってヤツは、こんなのが結構好きだったりするのよね~」
それは綾さんに言われて初めて気づいたことだった。男受けは熟知してると思ってたのに、まだまだ修行が足りないと朋乃は思ったのだ。朋乃の私服は派手目なほうだ。こんなシンプルな格好は、全然物足りない気がしていた。だが、目からウロコであった。そして、すばやくメイド服に着替えた。

「わぁぁぁ~! いい!似合うわ! 最高よ」
綾さんが歓声をあげると、朋乃も我ながら似合うんじゃないかと思ったりした。それから、綾さんから急遽“展示会へ出てほしい”とお願いされた。朋乃はOKしたが、上司の許可が要るので、綾さんが話しをつけに行った。数分後、笑顔で綾さんが手でOKの仕草をして帰ってきた。商品の説明文の資料をもらい
「資料を見ながらの説明でいいからね」
と、言われたが
「大丈夫ですよ! これくらいの文章、移動中の間に全て暗記できますよ!」
と、威勢よく朋乃は答えると
「ええ~~!マジ! 朋乃ちゃんって、やっぱりスゴイわぁ! 脳みその質が我々とは違うのね!」
と、綾さんは驚いていた。

展示会の会場へ到着すると、朋乃はメイド服姿で自社のブースのPR役を務めた。アンチョコを見ずに流暢に商品の説明をし、朋乃の周りには沢山の人だかりができていた。バカっぽい雰囲気なのに誰よりも詳しい商品説明・・・、このギャップが人気を呼んだ。外人客にも見事に英語で対応していた。

展示会は大成功だった。帰りの車の中では綾さんと盛り上がっていた。
「ありがとう!! 全て朋乃ちゃんのお陰よ!!」
「いえいえ~、もともとは綾さんのアイデアですから。朋乃もね、ひっさしぶりに楽しかったなぁ~!!」
「ねえねえ、打ち上げしない? パーッとねっ!」
「いいですね。それでしたらイイ話があるんですけど・・・」
朋乃はクーポン券のことを切り出した。すると、綾さんは即賛同してくれ、自分も何枚か協力したいとも言ってくれた。

それから、少し言いにくそうに、数日前に起きた綾さんに対する中傷事件のことを切り出した。今現在とても明るく何事も無かったかのような綾さんである。どうやってピンチを切り抜けたのだろうと、朋乃はとても気になったのだ。
「ふふふ・・・。“ピンチはチャンス”って言うじゃな~い! 酷いことには遭ってしまったけど、結果的にかえっていい方向に行ったの。大体さ~、“インランの綾”なんて言われたってさ! どーってことない・・っつの! ソレ、ホントにその通りだからね、ははは~! ソレを売りにしてわざわざ自分から言ってるくらいだもの! 納品する商品を隠されたりもされたけど、かろうじて在庫分だけ収めて後は先方に平誤りし、とにかく色々と先方に尽くしたわ! そしたらその誠意が認められて、これからも私の担当で長く付き合っていきたいってなったの! ふふふ・・」

その後、綾さんにイジワルをした男性社員は左遷されたそうだ。悪事がバレた時、その男性は辞表を提出したそうだが、綾さんは
「私は何とも思ってないから、辞めないで!」
と、訴えたのだが、やはり本人が自社には居づらいとのことで、田舎の支店へ移動となったのだ。
「一部始終の対応をしてくれたのが丸山部長なんだけど、イイ男よね~! ホント!! 惚れちゃいそうだわ」
朋乃は、“自分の男”を認められた気がして嬉しかった。が、反面
「綾さんが好きになったりしないか?」
気が気でなかった。
「あ! 惚れるのはナイかも。 だって、私は年下が好きなんだもの~! 丸山部長は素敵だけど、男として見たことはナイわね。時々タメ口を言ったりもするんだけど、イケナイわね~ははは~! あ、そうそう、この事件でね、ある年下の男性社員にすんごく助けられてね・・ふふふ・・」
朋乃は
「なに、なによぉ~」
と、突っ込んだが、はぐらかされた。打ち上げの席で詳しく突っ込もうと思ったのだった。


着替えが終わって退社しょうとするところで、彩香からメールが来た。
「ママ友のボスから嫌われたみたいなの。何でだろう?」
朋乃は、一体どういうことなのかと思い、彩香に電話した。
「この間までママ友のグループとすんごいイイ感じだったのに、何故か今日から無視されるようになったの。わけわかんなくて・・」
「何かマズイことでも言ったんじゃない? 心当たりは?」
「えええーーっと、あ、昨日皆で一緒にランチしたの。・・で、あたしの大きなお腹を見て、二人目の子供の話題になったの」
彩香によると、そのママ友たちは、皆子供は一人の人ばかりで
「二人目をどうしょうか?」
「なかなか出来なくて・・」
と、話題が進み、さらには子作りにどんな努力をしているのかで盛り上がったのだ。
「○○を飲むといい・・」
から段々際どい話題に発展していき、彩香にも話が振られのだ。
「ねえ、彩香さんはどうやって出来たの? いいわよね~、スグ出来たりして!」
ママ友のボスが言うと、彩香はこう言った。
「あたし・・、デキやすいみたいなの。次の子とか全然考えてなかったのに、デキてしまって!!」
朋乃は、あ~あとタメ息をついて“だめだこりゃ~”の仕草をした。
「まったく空気が読めない女よね~。彩香は正直に言っただけで、まあ悪気はないんだろうけどさ」
朋乃は、彩香の“天然”さを、ある意味少しウラヤマシく思ったのだ。

<第24話終わり、25話へ続く>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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