咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第23話~「友だちの為に、そして自分の為にがんばること!」
好戦的な性質も、正しく使うと人助けになるのだ。

※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L



~第23話~「友だちの為に、そして自分の為にがんばること!」



「土曜の午後に白昼堂々の不倫デートですか!!」
と、朋乃は半ば呆れつつ、彩香と路上でたわいもない話をしたり、美月ちゃんに話しかけたりした。それを見ていた夫は
「せっかく出会ったんだから、ゆっくりお茶でもして来いよ! 俺は本屋で時間を潰しているから・・」
と、財布から1万円札を抜き取って朋乃に渡した。皆が見ている前で、オトコとして見栄を張りたかった部分もあったのだろう。朋乃はその想いを有難く受け止め、彩香や店長をお茶に誘ってみた。
「夫は、彩香たちのことを本当のファミリーだと思っているに違いないわ」
と、夫に対して半分申し訳なく思いつつ、朋乃は近くのカフェへ彩香たちを案内した。

「おおーう! オゴリでいいんだな。そりゃ~有難てぇや」
意外と食いつきが良かったのは店長の方だった。
「おい彩香! オマエにこんなマブいネーちゃんの友だちが居たとはな~。へへへーっ」
と、ややニヤついた表情で言った。マブいとか今どき言わないだろう。
「センスの無さそうな男だわ」
と、朋乃はゾッとしてやや引き気味になった。朋乃たちはカフェのテーブルにつき、朋乃と彩香は同じメニューを注文、そして店長はここぞとばかりに店内で一番高いコーヒーとケーキとアイスの盛り合わせを注文した。彩香は、美月ちゃんにアイスをスプーンですくって食べさせてあげてたりしていた。カフェの店内は心地よいBGMが流れており、まったりと時が流れているようだった。

「あ~あ、あたしたちがこうしてゆったりしている間にも、M男君はファミレスで忙しく働いているんだろうね~」
いきなり核心を突くように朋乃は切り出した。朋乃がお金を出して、ご馳走をしてあげているので遠慮は要らないと思ったのだ。
「な!なんだ!! このネーちゃんは!・・な、な・・俺たちの関係のことを知ってんのか! なぁ、彩香!」
彩香は黙って頷いた。店長は片足を貧乏揺すりし、強張ったような表情になった。
「脅しか!? なぁ? M男は今日はシフト日なんだよ。俺は休みなんでな。俺達はコイツの家族と、もともと家族ぐるみな付き合いがあるんだよ」
「へぇ~っ、店長さんは従業員の家族サービスまでやっちゃうんだ~! ねぇ、彩香が今妊娠中なの知ってる? あまり無理に引っぱり回すのは良くない時なのよ」
朋乃は嫌味たっぷりに返したが、“彩香のお腹の子は実は店長の子なのよ!”・・とは、口が裂けても言えなかった。
「知ってらぁ。だから何だよ」
店長は朋乃と顔を合わさず、不自然に何度も瞬きをしていた。非常にバツが悪そうである。
「この男、案外気が小さいのね。内心怯えちゃってサ」
と、朋乃は見抜いていた。

「おい! ネーちゃん、何が目的なんだよ! 脅しなんだろ! コレやるから! ホレ、受け取れよ! じゃー、俺はもう帰るから!!」
店長は、自分の店のお食事券の束を朋乃に渡そうとしていた。だが・・
「これは受け取れません。そして、脅すつもりは全くありません。このことは誰にも口外しませんから! ただ・・、あたしの大事な友だちである彩香を、これ以上無理に誘わないでほしいのです。今は、お腹の子に障りますからね。大事な時期なんです、今は!」
と、朋乃は強い口調でタンカを切った。
「ネーちゃんに、そんなことを言われる筋合いはないと思うがな。だいたいさ・・、彩香が俺に逢いたがってるんだからさっ。俺はそれに応じてあげてるワケよ」
彩香は、うつむいて首を左右に振った。
「何だと!彩香。へぇ~~っ、用が無くなったらポイ捨てなのか! 散々今まで楽しんでおいてよぉ! 金も散々使わせておいてよっ!」
「店長さ~ん! アナタのお店にお客さんをたっくさん紹介しますわ! 約束するわ! だから、彩香から手を引いて。お願いよぉ」
イラ立ってる店長に対して朋乃は、甘い声で得意の媚を作って店長にささやいたのだ。
「おお!そうか~! じゃあ、コレを渡しておくよ。このクーポン券を使った分だけ客が来たって証拠になるからな。そうか~! じゃっ頼むよ!! ほな彩香、さ・い・な・らっ!」
朋乃が店長から受け取ったのは、“ドリンクが1人1杯無料になるクーポン券の束”だった。枚数にして100枚くらいはあった。店長は、大きな音を立てながらイラ立ったようにカフェから出て行った。


「彩香・・・朋乃、余計なことしたかなぁ・・・」
心配そうに朋乃は彩香に聞いた。
「うううん。そろそろ店長とは離れたいと思っていたから、よかったの。ありがとう、朋乃さん」
「なら、いいけど。まさか、アナタたちがまだ続いていたとは思ってもなかったワ」
「こんなの良くない・・いけない・・と思いつつ、ずるずる離れられなかったの。でも、パパにはすべて内緒にしているわ! 朋乃さんとの約束はちゃんと守ってる・・。ただ・・最近、パパの存在が自分の中で薄くなってきてるのがコワいの。罪悪感すらなくなる自分もコワい・・。店長のこと、すごく好きなのかどうかも実は分からないけど、誘われたら、ついていってしまう自分なの。昔から、男らしくて強引な人に弱くて・・」
「朋乃的には、あの店長はど~もタイプじゃないんだけど・・。人ってさ、魅力だなぁ~って感じる方に無条件に動いてしまうのものなのよね~。M男君は“いい人”なんだけど、“いい男”かって言うと、ど~だろうな~? 存在が薄くなる・・って、ちょっと可哀想ね。 まさかだろうけど、店長とはまだエッチしてたわけ?」
「・・・・う、うん。・・・・良くないのは分かってるわ。お医者さんからも、安定期まではあまりしない方がいいとも言われているし。実際、ヤバかったことも何度かあったし・・。出来ればしたくないし・・。一緒に買い物したりするだけがホントはいいんだけど、店長の場合、それだけでは済まないもの」
「だよね~! って言うか、ソレが目的だもの!」
「『スルのなら・・ゴムを使ってほしい』と頼んだけど、聞き入れてくれなかった。『どうせ妊娠してるんだから!』ってね」
カフェ内で話すにはへビィ過ぎる内容だなぁ~と思いつつ、若干小声になる。朋乃も聞いたことがあるが、妊娠中のエッチは全くしてはいけないワケではないけど、精液には子宮を収縮させる作用がある為、妊娠中はコンドームを使用することが主流になっているということだ。

「そんな男、別れて正解よ! しっかし、気の小さい男よね。別に脅すわけじゃないのに。よっぽどバレるのがコワいのね。ちょっと強く言ったら、しっぽ巻いて逃げちゃうし。しかし、それでいいの? 彩香は・・」
「店長、恐妻家だって聞いていたわ。だから、あたしと居ると安らぐって・・。でも、もう大丈夫!! あたし、もうアノ男とはキッパリ会わない! ありがとう、いいキッカケだったわ。これからは、もっとちゃんとしたママになるわ」
朋乃は彩香がちょっと頼もしく思えた。やっぱり“母は強し”だなぁ思ったのだ。
「そうだ、例のことを聞いておかなくちゃ・・」
と、思い出し彩香にぶつけてみた。

「ねぇ彩香、彩香って、ずっと子供が欲しい人だったの?」
「ええ!! すご~く欲しかったわ! 16歳くらいの時にね、家出して友だちの家に転がりこんだんだけど、その子は既に赤ちゃん産んでいて・・泊めてもらうお礼にその赤ちゃんの世話をしてたんだけど、すっごく可愛いくって! あたしもそのくらいの年で妊娠はしたんだけど、産めなくて・・。産めたその子がすごく羨ましくて・・、いいなぁ・・って思って。あたしも早く欲しいなぁ・・って思いながら過ごして、19歳でやっと叶ったの。友だちの赤ちゃんを見ると、何でか欲しくなるのよね~。何でだろう。その時は育てるのが大変とか考えないのよね・・。でも、あたしは母子家庭だったせいか、産んだら産んだで、何とかなるんじゃないかな・・って、あまり考えずに思っていたの」
「16歳・・19歳・・・、早熟すぎて朋乃たちとは世界が違うなぁ・・。朋乃は23歳まで処女だったもんなぁ。しかし、年齢は違えど、欲しくなる心理は同じなんだわ。周りが続々妊娠すると、何らかのスィッチが入るんだよね。そして自分を置いて成長してゆく周りに、寂しさを覚えたりね。大なり小なりの焦りは、皆経験するものなのかもしれないわ」
やっぱり、以前丸山部長が言った通りだったと、朋乃はしみじみ納得していた。

「朋乃さん、『お客さんを紹介する』って言ってたけど、大丈夫なの?」
「あん! この勝負、望むところだわ! こう見えても人脈は結構あるんだから! じきに店は忙しくなるわよ。そうなったら、店長もおちおち店をサボれなくなるわよ~!!」
「パパ、大丈夫かなぁ・・・。こんなことになって、店長から苛められたりしないかしら・・」
「大丈夫よ! 貴重な戦力だし、M男君を大事にしないと、お店自体、うまく回らないんだから!」
「あたしも頑張ってお客さんを紹介してみる」
と、彩香も10枚くらいのクーポン券を受け取り、二人はカフェを後にした。



クーポン券のことを、夫にも持ちかけてみた。夫には
「友だちの店が潰れそうなので、少しでもお客さんを増やして店を存続させたいの」
と、切り出した。すると、夫の反応は
「いいよ! 出来る限り紹介してみるよ。しかし、友だちを救いたいなんて! いい話だなぁ~。君がそんな風に考えるなんて、ちょっと意外だったけど・・」
その他、学生時代の友人、元ボーイフレンドなど、片っ端から電絡をした。朋乃は、結構燃えていた。もともと好戦的で負けず嫌いの性格だったのだ。
「そういえば最近、勝負事で燃えるようなコトが無かったよね。だから、つまんないコトに勝負をふっかけてみたり、ウダウダしていたんだわ!」
と、ちょっと興奮気味だった。



退社後の夕方、ホームセンターの駐車場で丸山部長と待ち合わせをした。クーポン券のことをお願いするためだった。会社内で渡してもよかったのだけど、二人だけで話もしたかったからだ。
「おお! いいよ!! 任せておけって!! えっ、たったこれだけ? もっと枚数増やしていいよ! このドリンク券は生ビールも使えるじゃないか! 欲しい人はいくらでも居るよ~」
と、言って50枚くらいゴッソリ取っていった。
「友だちを救いたいなんて! 朋乃ちゃん、素晴らしいねぇ!」
丸山部長は夫と同じことを言った。さらに、こんなことも言った。
「朋乃チャンって負けず嫌いだから、実は結構燃えてるでしょう! 今回は、いいエネルギーの使い方をしてると思うよ!」
さすが、朋乃の心の内まで読まれていたのだった。

「良かったら、今から行っか! ココに!」
「ごめんさい。今日は帰ります」
朋乃は鮮やかに断りを入れた。丸山部長とは
「社内の数人と、また別の日に行きましょう」
と、約束をして、二人はお互いの家庭へ帰っていった。

<第23話終り、24話へ続く>

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

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