咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L  ~第21話~「欲望と予防線」
人妻になってから、初めての元不倫相手との逢瀬。
人に見つからないように・・、バレないように・・
やや自意識過剰とも言えるくらい予防線をはり、揺れ動く女心。

※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第21話~「欲望と予防線」





朋乃は、綾さんと高尾のやりとりを愉快に聞いていた。
「高尾ちゃん、こう見えても巨乳なんだから、もっと露出してもいいんじゃない? 長所はもっと出してアピールすべきよん!」
「か、勘弁してくださいよぉ~。カラダで営業は出来ませんってば!」
「そっか! カラダで営業は私の持ちネタだったわね。ははは~。ポジティブに露出をすれば、媚にはならないのよ! ま、これは綾流だけどネ」
その言葉に思わずキョトンとしていた朋乃に対して
「カラダで営業と言っても、寝たりとかはしませんから~! ははは~。そんなのは本気で好きな男性としかしないわよ」
と、綾さんから先手を打たれた。カラッと湿り気が無く、ポリシーを持ち、何ごとも曖昧にせず線引きしているところが、綾さん流の“媚びないフェロモン&営業術”なのだ。

朋乃は、同性から「男性に媚びている」と言われることが多々ある。確かに男性に頼みごとをする時は、声のトーンを上げて甘ったるい声を作ってるし、同性と接する時と態度が違うのだ。だが、その方が男性に受けが良いからやっている。仕事を手伝ってくれたり、食事を奢ってもらったり、はっきり言って得をすることが多かったのだ。

だから、周りの同性は気に入らないと思うのでしょうが、そんなに気になるのであらば、“朋乃のマネをすればいいのに!”と朋乃は常日頃思っていた。
「アナタたちも、男性に媚びてみたらいいじゃない! そしたら、イイ想いをするわよ! でもそれが出来無いもんだから、ヤッカミを言うのよ。 媚びるってね、思う程カンタンに出来るもんじゃないのよ。やってごらんなさいよ! やってみたら分かるからサッ。媚びるのがイヤなら、全く媚びないカッコイイ女性を目指したらいいんじゃない! でも、そんな勇気もナイんでしょうね」
と、朋乃は心の中でタンカを切っていた。自分でも“ヤなオンナ”を自覚しているが
「綾さんからは、どう思われるかしら?」
と、少し気になった。ただ、綾さんのような“同性にも好かれるフェロモン”というものを、研究してみたいと思った。

「じゃ! そろそろ外回りに行くかーー! 高尾ちゃん、早くイタリア語をマスターしてよね。 そしたらもっとバリバリ仕事も取れるし、イケメンとも仲良くなれて最高よ! あ!イタリア男ってさ~、高尾ちゃんみたいな典型的な日本人顔がスゴイ好みらしいよ。アタックしてごらんよ~! イケるから~~! じゃ~、朋乃ちゃんまたね~~! また今度ゆっくりゴハンでもしょうね~~!」
「ちょ、ちょ、綾さん、ソレって、褒め言葉?ですか? あ~~待ってください。私も途中までお供しますぅ~~」
賑やかな二人の声が遠のいていくと、急に火が消えたように静かになった。朋乃は、綾さんの太陽のような余韻に浸りながら、軽やかにデスクに戻って行った。


それから5日後、丸山部長とのドライブの約束を実行に移した。退社後に、ホームセンターのパーキングで待ち合わせをし、朋乃は姿勢を低くして周りの人に気付かれないようにそっ~と、丸山部長の車の助手席に乗り移った。
「とっておきの場所があるんだ」
ドライブコースは丸山部長に全て任せることにした。
「頼れるっていい」
と、朋乃は感激に浸った。丸山部長と久しぶりに密室で二人っきりだ。ドキドキ・・・、車のバイブレーションが、余計に胸を高鳴らせることを増長させた。

しかし朋乃は、ある一線は守ろうと、一応予防線をはって来ている。でも、場合によっては崩れてもいいかも・・・、などと考えていた。何て頼りのない予防線なんだろうと思ったが、それは、まず、本日が生理5日目であるということもあった。 “生理だから・・”と逃げられる。5日目というのが微妙な女心を表している。3日目なら最も多い日で“ゼッタイ嫌”だけど、5日目なら、“まあ多少はいいかも・・”でもある。先行きのことは成り行きでしかならないのに、オンナは深読みし先回りして考えるものなのだ。

それから、ドライブだから基本的にはお酒は飲まないデートとなる予定だ。酔わなければ、感情も理性もニュートラルを保てるかもしれないなどと考えもした。

既婚同士の場合、もし一緒に居る所を知人に見られたら誤解されかねないので、行動も慎重になる。丸山部長と朋乃なら、単なる上司と部下にしか見えないだろうし、そんなに気にしなくても良さそうだか、万が一ということもある。朋乃の場合は、慎重すぎるのと自意識過剰がそうさせるのかもしれない。

「お腹空かない? 行きたい所があったら、リクエストに応えるよ」
「えっとねー、じゃあいっかな? 朋乃、ドライブスルーで“マック”したい! 景色を見ながら車内で食べるってどう? だめぇ?」
知人にバレる可能性を考慮しての提案だった。“マック”というのが、ひと周り年上の丸山部長に受け入れてくれるだろうか?と思ったが、快くOKしてくれた。
「実は、こうゆうのしてみたかったんだ。 ピクニックみたいで楽しそうだね~! 密着感もあるし・・」
と、丸山部長は子供のようにはしゃいでいた。


車は埋立地の臨海工業地帯へ入り、細い道を幾度か抜けると、前面に海の景色がパーッと開けた。海の向こうには、街の夜景がチラチラと薄暗らい夕刻時に映えている。そこには、ちょっとした駐車スペースがあり、ここが丸山部長のお気に入りの場所だと言う。
「いいでしょ!ココ。昼間だと、目の前に青い海と空が開けてね、これまた最高。夜は夜景がご馳走だよ。たまにココで仕事をサボッたりもするよ。いわば隠れ家だね。又はエネルギー・チャージの場所とも言えるね。朋乃チャンも煮詰まったら、ここに来るといいよ。殆ど人が来ないしね」

夜の埋立地の波止場は、デートスポットとなってるが、工業地帯の中に、こんな素敵な場所があったなんて知らなかったのだ。穴場である。ここで、先程テイクアウトした“マック”を広げた。ポテトやハンバーガーの食べさせ合いっこをしたりもした。丸山部長はテリヤキバーガーのソースをこぼして、服に付けて“あ~あ~”とか言いながら、はしゃいだ。朋乃は、こんな時でもキレイに食べることを考慮して、ソースや中身がこぼれにくい、フィッシュバーガーやチーズバーガーを選んだ。

「朋乃チャン、ホントはビッグマックとか食べたいんじゃない? 自分の欲望には正直になったほうがいいよ」
と、言いながら丸山部長はビッグマックにかぶりついた。
「も~丸山部長! コテコテなのばっかし。だからメタボになるんですぅ~」
と、ツッコミを入れたが、急に声のトーンが落ち
「朋乃って、結構ストイックなのかもしれない」
と、少しうつむき加減で呟いた。
「あっ、えっと・・、あくまで食べ物の話だから・・さ・・」
朋乃は丸山部長に寄りかかり、顔を肩に押し付けて、堪えきれずに泣いた。
「あ、あ、あ・・えっと・・・・、この間ね、電話で話した時ね、何か様子が変だなぁ・・と思って・・。朋乃チャンが元気がないと、私も哀しいのだよ。多分、何かあったんだよね? いいよ。思いっきり泣いて・・」
せき切ったように、朋乃は丸山部長の胸で泣きじゃくった。しばらくすると、少し落ち着きを取り戻し、ゆっくりと話をし始めた。

「人がさ~、欲望をガマンしてるのに、目の前でチラつかせるなんて! ヒドイ話よね!!」
「あ!ごめん、ごめん。そっか、朋乃チャン、ダイエットしてた? 悪かった。気がつかなくて」
「食べ物の話じゃナイってば!! たとえ話よ!!・・・そいでさ~、チラつかせてる相手が“天然”で、こちらが欲望をガマンしてるって知らないから、余計にやり場のない怒りにさいなまれるのよ!」
朋乃は、具体的に彩香のことを順を追って詳しく話した。彩香が人妻の身で不倫をしてること。その不倫相手の子を身ごもったこと。不倫相手の子を夫の子として産もうとしていること等々・・。

「その友人さんの状況って、傍観者的な立場で見ると大変だねぇ・・。朋乃チャンは優しいね。その彩香って子の苦悩を聞いてあげたりしてね~。彩香さんも、話せて少しは悩みも軽くなったんじゃないだろうか。しかし、何で朋乃チャンはそんなに怒ってるんだい?」
「はぁ~~~っ(溜息) 今日、こうして丸山部長に逢えたの、すんごく嬉しい! でもね、こうして時間作るの、すごく勇気がいるんだよ。丸山部長に逢いたい。・・・けど、今はイケナイことよね・・。とか色々迷ったわ。朋乃は一応常識的な奥さんですからね。それに、実は朋乃もそろそろ子供が欲しいと思っててさっ! でも思うようには行かないのよ。すんごく努力してるのに! 今まで努力が叶わないなんてことは1度も無かったから、とても打ちのめされてるわ。それなのに! 彩香って子は、結婚のキッカケもデキちゃった婚だし、いとも簡単にデキちゃうのよね! 不倫なんかも簡単にやっちゃうし。何でそんなに簡単にやれるんですかね! いいわよね~! 簡単にいい加減が出来ちゃう人って! しかも、朋乃が子供が欲しい人だなんて彩香は知らないから、容赦なく見せつけてくるし・・・」
「きっとね・・・、彩香さんも“子供が欲しい人だった”んじゃないかな?」
「ぜ~ったい、そんなことはないっ!! 予定外でデキちゃったの・・みたいな感じだし」
「本当に欲しくないなら、ピルとか飲んで防御するだろうし、ましては産もうとはしないだろうよ。それに、朋乃チャンが子供が欲しい人だなんて、今始めて知ったよ。他人なんてもんは、そんなもんだよ。彩香さんが朋乃チャンの想いを知らないように、朋乃チャンも彩香さんの想いを知らなかっただけだよ。そうゆうことは、わざわざ他人に言うことじゃないからさぁ~」
「そ、そんなものかな・・・」
「じゃあ、例えばよ、朋乃チャンが今月オメデタになったとするよ。そしたら、会社の人間に何て言うかい?」
「うん!そりゃ~ね・・ 『もう朋乃、ビックリよ!! まさかのオメデタよ!! まさかこんなに早くデキちゃうなんて思わなかったからさ~。ちょっと戸惑ってるわ。だって、もうちょっと夫婦2人だけの生活を楽しみたいと思ってたからさ~!』とかかな・・」

「ほれ、みろ~~!」
「ああっ!! 」
「そういう所が朋乃チャンの可愛いところだね~。頭いいのにね~ ははは~」
朋乃は
「しまった・・やられた・・またもや丸山部長の誘導尋問に引っかってしまった・・」
と、少しむくれていた。でも、非常にナットクもした。確かに、もしデキたりしたら、望んで作ったのにサプライズ性を強調するかもしれないなんて思ったのだ。

しかし、朋乃はまだ腹の中がスッキリしない思いをしていた。
「世の中には悪びれずに“いい加減”が出来る人が居るのよ。それについては、丸山部長はどう考えているのだろうか?」
そう、問いかけようとしていた。すると、丸山部長がしどろもどろに語り始めた。


「じゃあね、朋乃チャン・・・・、私との・・子供!・・・作っちゃおうか?」

<第21話終り、22話へ続く>

テーマ:恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル:小説・文学

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