咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第20話~「オンナはいつだってオンナでありたい」
主婦やママになったって、オンナはオンナとして扱われたいし
そのキモチもわかるけど・・・
安易にそれを求めてもいいんだろうか?


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第20話~「オンナはいつだってオンナでありたい」


秘密というものは心にしまっておくことが難しい。そして、秘密を墓場まで持っていくには強い意志が必要だ。


朋乃にも秘密はある。かって丸山部長と不倫関係だったこと。それともう1つ、今でも丸山部長が好きで、密かに寄りを戻したいと思ってること。この想いは“夫や会社に知れてはならない”と、誰にも口外していない。朋乃とて、誰かに相談出来たらどれだけ気持ちがラクになれるだろう・・とも思う。秘密を心にしまっておくことの大変さをよく知っている。

そのことを踏まえて彩香にアドバイスしたが、さてどれだけ彩香が守れるであろうか、朋乃は不安であった。 全てのことががM男君にバレてしまったとしても、“その時は離婚すればよい”なんて、開き直るしれないと思ったのだ。

秘密を通じて繋がる友情というものもあるのだろう。さらに、お互い、“不倫経験” “同性に好かれない”との共通項目があり、彩香の不倫の行く末を見据えることで、自分と重ね合わせ、少し気持ちがラクになれている部分があるのかもしれない。

「あのさ~、今さら的な話だろうけどさ~、何で、避妊とかしないわけ? M男君の場合は独身で、たまたま結婚してくれたからいいけど、今度はお互いが家庭持ちでしょ? 付き合うんなら、最低限のルールってもんがあるんじゃない?」
朋乃は核心について切り出した。
「それが・・・・。そんなはずはないと思って・・その・・・」
「・・・どういうことよ?」
「実は、未だ美月におっぱいをやっていて・・・。その~、おっぱいやってる時って生理が来ないから、ぜったい妊娠は・・ない・・と思ったの・・。なのに・・・」
朋乃は呆れてしまった。避妊は性病を防ぐ意味もあるのに、何て無防備なんだと思ったのだ。それに、普通は生後1年くらいで断乳するものだけど、彩香のゆるゆるな育児ぶりを目の当りにした。しかし、アフリカのある国の人は3歳くらいまでおっぱいを与えるらしいし、結婚も制度化しておらず自由恋愛の形態だと聞いた。本能のままに生きる彩香は、ワイルドな未開人と通じるものがあるのかもしれない。

さらに朋乃は突っ込んで聞いた。
「ねえ、再燃のきっかけは? 一体、どちらが声をかけたの?」
「突然、店長がウチに来てね。もうびっくりしたわ~。一応パパの上司だし、言うことを聞かないと後で何されるか分からないし、パパが職場でヒドイ目に遭ったら困るから、ついて行ったの。あたしと美月を連れて“ハッピー・パーク”へ連れて行ってくれたの。今まで1度も“ハッピー・パーク”へ行ったことが無かったから、それは嬉しかったわ・・」

“ハッピー・パーク”とは、1年前に出来たばかりの郊外型・複合商業施設のことである。ショッピングモールにレストラン、ちょっとしたプレイランドも配置され、レジャーに大人気のスポットである。駐車場が無料ということもあって、休日は特に大変な賑わいである。朋乃はオープンしてから何度も足を運んでいるし、休日も夫と2人で出かけることが多い。

「パパは忙しいから、なかなか連れて行ってくれないし、いつも近所のスーパーを往復するだけの生活だけど、それはそれでいいと思ってたわ。でも、“ハッピー・パーク”は楽しかった! 美月も喜んでいたし、オモチャまで買ってくれたし。レストランも美味しかった! それと、あたしまで服を買ってもらっちゃった!」
朋乃は不思議に思った。かって、散々苦しめられてきた男性にいともカンタンにホイホイついて行くことにだ。 つくづくオンナというものは物質的なもの、現実の楽しみに弱い生き物なのだ。 しかし、オンナのためにお金を惜しみなく使ったあとは、当然見返りを求められないだろうか?・・そんな疑問がよぎった。

「そんなに奢ってもらうと、怖くならない? あの店長のことだから、“カラダで返せ!”なんて言いかねないわよ」
「あ・・・うん・・。でも、あたしも気分が盛り上がってて・・。買い物途中で段々美月が眠そうにしてきて・・そしたら・・、『君と二人っきりになりたい』って耳元で囁かれて・・。店長がパーク内の保育施設へ連れて行き、美月を一時預かりにしてもらったの。それから、一旦パークを出て、展望台までドライブしたの。『ずっと、君のことが忘れられなかった・・』ってキスされて・・・それから・・その・・ええーっと・・」
彩香は頬を赤らめながらうつむいた。これをキッカケに店長と数日おきに逢瀬するようになったそうだ。

「確かにパパに悪いと思った。今までの生活に、けして不満があったわけじゃなかったのよ。一応幸せに思っていたし。でも、あたしはママだけど、やっぱり“ああ~!女なんだ~!!”って思った。女として扱われるのって、こんなに嬉しいんだ~!って。あ、イケナイよね・・。幸せに思っちゃったりしたら・・。あたし、地獄にへ落ちちゃうかもネ・・」
その気持ちは少し解るような気がした。
「女はいつだって、女として扱われたい。主婦やママだけとしか扱われないなんて寂しい。しかし、だからと言って、それを外でカンタンに求め、実行に移すのはどうだろう? 何がそうさせるんだろう? 主婦が外で恋を求める時、どんな勇気が必要なんだろうか?」
朋乃は複雑に感じていた。


彩香と別れた後、外はすっかり暗くなっていた。朋乃はスーパーに寄って夕食の買い物をした。しかし、今日は何となく料理をする気になれないので、出来合いのものを数品買った。たとえ共働きでも、けして手を抜くことなくキッチリ料理をしていたが、たまにはこんな日もいいだろうと思ったのだ。彩香のナアナアぶりが移ったのかもしれないとも思った。

会計を済ませ、袋に商品を詰めていると、下半身からドロッと液体が流れ落ちるのを感じた。急いでトイレに駆け込むと、赤いものが下着についていた。
「あ~~あ、今月もダメだった・・」
朋乃は、もう1度売り場へ戻り生理用ナプキンを購入した。外へ出て、涙がとめどなく流れ落ちた。いつもはそんなに泣くことはなかったのに、このタイミングで来たことに相当堪えたのだ。彩香のことを思い出すと、余計悔しくなって涙が溢れる。

涙がこぼれ落ちないように空を見上げると、星がキレイな夜だった。思わず、丸山部長に
「今、電話してもいいですか?」
と、メールを送った。すると、すぐに丸山部長から電話がかかってきた。
「星がキレイだったから。ただそれだけです。忙しいのに、ごめんなさい」 
と、たわいのない会話をしばらく交わした。すると
「良かったら今度ドライブしない? 星を見にね」
と、丸山部長から誘われたのだ。朋乃は驚いたが
「うん」
と、返事をした。



次の朝、朋乃は笑顔で出勤した。パソコンのキーを威勢よく叩き、手を休めることなく、同僚たちとバカな会話を興じて笑いあった。どんなに辛いことがあっても、“人前では笑顔”を朋乃はモットーとしている。“おバカに見せて実は仕事が出来る”という演出のためでもあるが、笑顔でいた方が、イイコトが起きそうな気がするのだ。

自動販売機のベンチでホットココアを飲みながら一服していると、高尾が駆け寄って来た。
「お~い! この幸せ者っ! 元気してる~!?」
高尾も自動販売機でコーヒーを買うと、一緒にベンチに腰掛けた。こうしてゆっくり話すのは、結婚式以来だった。高尾は、何だか前よりも明るくなった気がした。服装も髪型も以前の野暮ったさが消え、洗練されてる。

「ねぇ高尾、何かイイコトでもあったの? もしかして恋?」
そう朋乃は探りを入れてみた。
「実はぁ~! イケメンの彼氏が・・・あ!ウソウソ。最近ね、イタリア語を習い始めたの。私ったら、相変わらず英語が苦手で・・・。でも、ウチの会社って、イタリアとの取引が結構増えたのよね~! イタリア人って、英語がダメな人が多いのよ。だったら、イタリア語をマスターしてみよう!と思ってね、習い始めたワケで~す。 あ!そうそう・・イタリアの男って、イケメンが多いわよね~~♪」
すっかり、テンションだけはイタリア人?の高尾である。しかし、良いところに目を付けたなぁと関心した。そんな風に二人で会話していると、廊下の方から
「高尾ちゃ~~~ん!」
と、高らかに呼ぶ声が近づいて来た。

「アラッ! 高尾ちゃん、朋乃ちゃんと一緒にナニしてんの~! 私も入れてよ。朋乃ちゃん、いつも綺麗な書類作成をアリガトね☆ 英語も堪能だし。誰かさんと違ってネ~。 ふふふ~~ん、アラ!イヤ~ン、私のカラダ、そんなに嘗め回すように見ないでぇ~~! いくらフェロモン・ボディだからって! ふふふ! このおっぱいはネ、実は作りモンなのよ。と言っても“入れチチ”じゃないわよ。矯正下着で、肉を寄せて上げて谷間が出来ちゃうのよ! ポッコリお腹なんかが、おっぱいに変わっちゃうのよ! スゴイでしょ~!」

朋乃は、彼女の強烈なキャラに圧倒されてしまった。彼女が噂の、2週間前に営業部に中途採用されたという城崎綾だった。ああ見えても、バリバリ仕事が出来ると言われていた。前職は、トップ・セールスウーマンだったそうだ。年齢は36歳で、バツ2で現在独身、子供は2人居るそうだ。

「綾と聞いて、彩香を思い出したけど、全然タイプが違うわ! “あや”と付く名前の人は、色っぽくて男性遍歴を重ねる人が多いのかしらね? フェロモン系って、女に嫌われるものかと思ってたけど、そうじゃない人も居るのね! 初めてだわ」
と、朋乃は城崎綾のことに興味を持った。朋乃は、綾さんとの出会いに何だかワクワクしてきた。明るくなった高尾に会えたのも嬉しかった。
「綾さんは、周囲を明るくする人だ! 朝からムリして笑顔を作ってきたけど、笑顔で居るとやっぱりイイコトを引き寄せるんだ~!」

<第20話終り、21話へ続く>

テーマ:自作恋愛連載小説 - ジャンル:小説・文学

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