咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第19話~「墓場まで持っていく秘密」
オンナには墓場まで持っていく秘密の1つや2つ・・ある。

友達になるキッカケ。
思わぬ共通点を見つけたとき・・
秘密を共有してしまったとき・・


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第19話~「墓場まで持っていく秘密」



「お腹の子、パパの子じゃないかもしれないの・・」
と、朋乃は衝撃の告白を受けたが、何となく予想はついていたので、そんなに驚きはしなかった。彩香からメールを受けた時、すぐに彩香のケータイへ電話したが、涙声で動揺していてよく聞き取れなかったので、彩香の家へ行って直接聞くことにした。部屋へ上がってしばらくは美月ちゃんをあやしたりしていたが、遊び疲れてようやく眠りモードに入り、静かになったところで、彩香の尋常じゃない事情を聞き始めた。

「心当たりがあるのね?」
「ごめんなさい・・。不愉快になる話かもしれないけど、実は・・ちょっと前からパパの店の店長さんとヨリを戻してしまったの」
「ええーっと、話が前後するかもしれないけど、念のためちょっと確認したいの。今、妊娠3ヶ月?そのことはM男君(彩香の夫)は知ってるの?」
「ええ。4ヶ月目に入ったわ。妊娠は、パパの方が先に感づいたの。すごく喜んでくれたわ!」
朋乃は、どんどん誘導尋問していった。
「お腹の子が自分の子であると疑ってないのね。失礼だけど・・、M男君とも心当たりはあるってことね。 あと、浮気のことはM男君は・・知らないんだよね?」
「今ね、お医者さんで、いつ出来た子なのかが分かるのよ。パパと最近したのは、それより1ヶ月前の1回きりだから・・。たぶんパパの子じゃないわ・・。浮気のことは、たぶん知らないと思う。だから、何もかも全部話して・・離婚しょう・・って思ってるの・・」
朋乃は内心思った。
「M男君ってバカだなぁ・・。妻の妊娠の計算も出来なくて(あきらかに怪しいのに)、疑いを持たないなんて!」
しかし、バカだからこそ、簡単に騙されてしまうのかもしれないと考えた。

「ちょーーーっと待った!! それは止めたほうがいいんじゃないっ!! 離婚って、そんなにカンタンに決意しないでよっ! アナタはそれで良くてもね、真面目で何も悪いことをしてないM男君が、それを知ったら一番ショックを受けるのよ! そして、美月ちゃんも、お腹の子も・・アナタの軽率な行動で・・、全ての人が悲しむことになるのよ!!」
朋乃は少し興奮気味に言うと、彩香はボロボロと涙を流し始めた。
「ごめんなさい・・。あたし、どうすればいいの? パパを騙して生きるのも心苦しいし・・うううっ・・」
「こんなこと言ったら悪いけど・・。そんなに辛いなら、産まなきゃいいんじゃない?」
すると彩香は声を震わせながら言った。
「でも、パパに(妊娠のこと)知れちゃったし、もう堕ろすのが大変な時期に入ってしまったし。ホントは堕ろそうかと思ったんだけど、赤ちゃんの心拍音を聞いた時、涙が出て、産みたくなって・・・、でも、産んじゃーマズイとも思って、また考えて・・迷ってるうちにどんどん、時間が経ってしまって・・・」
「今からだって、死産させる方法とかもあるわよ!」
「・・・うううっうううっ・・」
「産みたいのね・・!?」
「うううっ・・。ごめんなさい・・。あたし、今まで何度も堕ろしてて、その度に辛かった・・。昔、ママの恋人を奪って妊娠してしまって、絶対に産めない状況とかだったから仕方なかったんだけど。今は産もうと思えば産める状況だから、出来れば産みたい気持ちもあるし・・。でもイケナイよね・・・」

「世の中、もっとちゃんとした人で、子供ほしくても、出来無い人とか沢山居るのに、何で、アナタみたいな人にポンポン出来るのかしらね!」
「あたしもそう思うの。ほしい人の所に赤ちゃんが出来ればいいのにって! 何であたしなんだろうーって・・」

朋乃はいたたまれなくなった。自分は正論を言ってるのか? それとも嫉妬心混じりで言葉がキツくなってしまってるのか? “まるで、彩香を苛めてるみたいじゃない!”と、自己嫌悪になった。しかし、彩香という人物像が少し見えてきた気がした。

彩香って、女友達が居ないのではないかと朋乃は思った。自分の彼氏に紹介したくない典型的なタイプの女性だと思った。朋乃とて、彼女のいる男性から好かれて言い寄られたこともある。男性の彼女より自分の方が魅力的ならば、しょうがないのでは?とも思う。でも、相手の男性を好きでもない限り、略奪することは無かった。“奪うことのみ”が趣味ではないのだ。

しかし、彩香は言い寄られれば付き合う!・・そんなオンナだ。男性の彼女に対して密かに優越感を感じ、そして、自分の母親に対してもそう思っていたのだろうと朋乃は分析していた。さらに、男好きする容姿と雰囲気だし、バストは大きいし、おまけに妊娠しやすいし、オンナとしての資材には恵まれてると言える。努力で女を磨いてきたと自負している朋乃には、そんな彩香の態度が傲慢に見えて鼻についた。

「あのさー、こんな重要なこと、何で朋乃にペラペラと平気で軽く話すわけー? 朋乃は一応M男君と知り合いなのよ。M男君に告げ口しないとも限らないのよ! そしたらどうするの? アナタの家庭はメチャクチャよ! 簡単に人を信用しないほうがいいと思うんだけどな~」
朋乃は冷静に諭すように言った。すると彩香は
「・・・だって・・友達・・・なんだもの・・」
「友達なのーー?? 私達!」
「・・・ダメ・・ですか・・・・? 今からでもダメ?」
「アナタってさ~、女友達居ないでしょ?」
「・・・うん。いない・・です。やっと仲良くしてもらえた・・と思ったら、すぐ冷たくなって避けられたり。女の人に嫌われやすいみたいなの。何だか・・」
朋乃は“嗚呼!やっぱりね!”と可笑しくなったが、真顔を保った。
「女の人に嫌われやすいのは、朋乃とて同じだー!!」
と、思わぬ共通点を見出し叫びたくなったが、心の中におさめた。

「じゃあ、“友達”として言うはね。秘密というものはね、墓場まで持っていくものなのよ! まあ、女には、墓場まで持っていくような秘密の1つや2つはあるもんなんだけどね~」
「じゃあ・・、この子産んでいいのね。 わかったわ! もう誰にも言わない!! 一生、パパにもナイショにしておくわ!」

彩香は安堵の表情を見せた。そして、未だあまり目立たないお腹を手でさすり、聖母マリアのような母親の表情になった。朋乃の言葉の意味を彩香は意外とあっさり理解したので、少し驚いた。バカな女だと思ってたけど、案外バカじゃないとも思ったのだ。

「秘密というものは誰にも言わず自分の中にしまっておくのは、結構辛いものよ。人に話せば少し楽になる・・そんなものかもしれないわ。でもね、楽になってはダメなのよ!! アナタの犯した過ち・・全て自分の中で受け止めるの!! そうすることが一番の罪滅ぼしよ。」
「はい。確かに、誰にも言えないのってすごーく辛いわ! だから、朋乃さんに話せて、良かった・・。少し気持ちが楽になったし、勇気づけられたわ。ありがとう!」
「・・・だからぁ~! 気持ちが楽になっては、ダメなんだって!! この事実を重く受け止めるのよ! これからずっとよ。それと、もっと強くなってね!!  二人の子の母親なんだから!!」
彩香から感謝されて“お姉さん”のように慕われるのは悪くはないが、内心は彩香に“してやられた!”・・との気持ちが拭えない。

最初から、彩香は不倫相手の子をM男君の子として産むつもりだったのだ。しかし、この事実は自分自身でも抱えきれないくらい重く圧し掛かり、誰かに吐き出して、気持ちが楽になりたかったのだ。そして、揺れ動く気持ちに対して、誰かに力強く背中を押してもらいたかったのだ。 その相手として選ばれたのが朋乃だったということだ。

彩香は、けして理路整然としているタイプではない。しかし、嗅覚で“自分がどうすれば最適か?”を、的確に導いてもらえる人を嗅ぎ分けるようだ。まさに“本能のままに行動する人”である。知能指数の高い朋乃にとっては、ある意味羨ましいとさえ思った。

「朋乃さん、ありがとう。あたし、もっと強くなる!! だから、これからもずっと友達でいてね?」
と、彩香は朋乃に抱きついた。こういう状況になれば、朋乃も抱きしめてやらねばならないだろう。しかし今まで、女同士で“友情ごっこ”などしたことがなかった朋乃にとって、戸惑うことばかりであった。

<第19話終り、20話へ続く>

テーマ:自作恋愛連載小説 - ジャンル:小説・文学

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