咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

B A B Y  D O L L  ~第16話~「初めての産婦人科」
揺れ動くココロ。そんな想いにピリオドを打ちたくて、その為に行ったこととは?


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第16話~「初めての産婦人科」


退社後、朋乃はある場所へ一目散に向かった。彩香の夫であるM男君の働いてるファミレスへである。席に着くと、M男君が朋乃のテーブルまで走って来た。この店は、厨房と客席の仕切りがガラス張りになっているのである。
「あ~! いらっしゃいませ、朋乃さん! ウチの店へ来てくれるなんて光栄です」
M男君が対応すると、朋乃はケーキセットを注文し
「これから習い事だから、軽く腹ごしらえよ」
と説明し、そして
「今、店長さん居る?」
と、聞いた。
「申し訳ござません。今ちょっと外出中でして・・・。何か店長に用件でしょうか? 良かったら伝えておきますよ」
「居ないのね。ならいいわ。ココでバイトしたいっていう知人が居るんで、ちょっと聞いてみようかなぁ~と思っただけ。あ、もういいわ。この件も伝えなくても」
「ホントに申し訳ございません。大体この時間には居るんですけど、先週から、時々居なくなることがあって・・・。何故だかね・・あ!!」
と、M男君が叫んだ瞬間、その店長が帰ってきたようである。朋乃はガラス越しに目をやると
「あっ!!!」
朋乃も一緒に驚いて叫んでしまったのである。何故なら、その男性は彩香と同乗していた人であったからだ。

「やっぱりね!!」
朋乃は自分の動物的なカンの的確さに得意気になっていた。そう思って追跡をしたのだった。店長は、彩香が結婚前に付き合っていた男性である。しかも店長は既婚者で不倫の関係だった。どういう経緯で再燃したかは知らないが、この二人は先週くらいから、時々逢瀬していることがわかった。

「寝取られ男のM男君・・」 
朋乃はM男君が気の毒に思えた。昼とも夜ともなく身を粉にして働いてるのだ。ひょっとしたら、そんな状態に彩香が耐えられなくなってきたのではないかと朋乃は思ったのだ。 彩香はまだ若い。体を持て余してるかもしれない。男と容易にズルズル関係を持ったとしても、過去の彩香からして十分ありうることだ。

しかし、朋乃は思った。
「何故、彩香の逢瀬の相手なんかを追跡しょうとしたのだろうか? 彩香が何をしょうがどうでもいいことなのに」
朋乃は、何時でも彩香のやることが気になってしょうがないのだ。朋乃の人生には、彩香が色濃く影響している。彩香の存在が、いつしか朋乃のキーパーソンになるつつあることを、認めたくはないが、認めざるを得ないようになった。

彩香の事実を知ってから、朋乃は頭が混乱して考え込んでしまった。知能指数は高いほうなのに
「男と女に関してはまるでダメだなぁ・・」
と、思うのだ。混乱してる今
「夫にギュッと抱きしめてもらいたい」
と思った。しかし、夫は今夜も帰りが遅くなるようだ。だが、混乱の理由が夫が忙しくて側に居ないことではなかった。ずっと押さえていた気持ちが噴出してきたのだ。

「朋乃だって、出来れば丸山部長と再燃したい」
体の奥から突き上げる、隠せない気持ち。
「彩香がパンドラの箱を開けたように、朋乃だって・・同じコト、やっても・・いい・・んじゃない・・?」
思わず携帯に手が伸び、丸山部長の番号を押そうとした。
「ダメ・・ダメ・・」
そう言って引っ込めた。理性がブレーキをかけるのだ。そしてムショウに思った。

「ああ・・、子供がほしい」
その子供とは、もちろん!夫の子供のことである。今までは、自分の計画の遂行と世間体と誰よりも出し抜きたい思いで、子供を欲していたのだけど、今は・・
「揺れ動く気持ちにピリオドを打ちたい!!」
そんな気持ちからだ。
「妊娠すれば、そちらに気持ちが向かうので、こんなことで悩まずに済むかもしれない。迷わず“まっとうな道”を歩むことが出来る」



約1ヵ月後、朋乃は、考えて考えて遂に決心した。

今、産婦人科の内診台の上に上がったところである。
「産婦人科って敷居が高いのよね。気軽になんて・・行けないわよ!」 
この内診台に上がるのが嫌で、迷いに迷ったのである。

「体の力を抜いて下さい」

男性の医師にそんなことを言われても、力なんて抜けるわけがないものだ。朋乃は初めての診察だが、非常に屈辱的に感じ
「よく皆、平気でこんなこと出来るわね!」
と思ったのだ。
「そういえば、妊娠したら妊婦検診をいうものがあり、最低月に1度はこの台の上に上がるのよね。そんなことも考えずに、朋乃は妊娠したい!なんて言ってたわ。ちゃんちゃら可笑しいわ!」
と、自分に言い聞かせて診察に望んだ。

本日朋乃が受診した理由は、ちゃんと妊娠出来る体か調べる為である。本当は、妊娠反応が出て初めて産婦人科を訪れるという運びにしたかったのだが、避妊を解禁して7ヶ月経つのに一向に妊娠しないのは、どこか悪い所があるのでは?と思ったからなのである。それと、少しでも早く妊娠出来る方法があるなら、それも知りたいと思ったのだ。

内診、尿検査、血液検査等では、いたって正常で、これらの診断では妊娠には問題ないと言われた。基礎体温をキチンを付けてることも褒められた。グラフは規則正しく、妊娠しやすい日も特定しやすいと言われた。

後は卵管の検査をするため、後日また来診することになった。待合室で待っていると、周りは妊婦さんだらけである。当たり前である。
「あ~あ、いいわねっ! おめでたカテゴリーな人たち!」
朋乃もいつしか、ソチラのカテゴリーに入りたい!と思った。そして、その時である。何と・・・

彩香の姿が目に入ったのである!!

朋乃は気づかれないように、身を隠すようにした。
「彩香、何しに来たんだろう。性病? 例の店長さんから病気でも貰ったんじゃないかしら? ・・・でも、まさか・・」 
やっぱり気になって、真相を聞きたくて彩香の方に近づいた。
「あれっ! 朋乃さん、こんな所で会うなんて! 朋乃さんもついに“おめでた”ですか?」
「いえ・・・そうじゃなくて。ガン検診に来たのよ。ホラ、最近有名歌手が子宮頸がんで亡くなったでしょ! 20代でも発病するんですってよ!」
「すごい! さすがだわ! あたしは妊娠以外でこんな所に来るなんて、考えられな~い」
彩香の今の言葉には少々チクッと刺されたが、“天然”で悪気はないのであろう。・・・ってことはだ。

「2人目の妊娠が判ったの!!」


<第16話終り、17話へ続く>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://sakuya39.blog24.fc2.com/tb.php/25-e10b10d5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。