咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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【短編読みきり小説】 通い猫
事情で猫が飼えない人は、他所の猫を一時的に可愛いがることはできる。
飼うといろいろと面倒だと思う人は、一時的に可愛がるだけがいいのかもしれません。

美羽、36歳ひとり暮らし。
飼い主有りのオトコを、一時的に可愛がっている。



「通い猫」


~プロローグ~
事情で猫が飼えない人は、他所の猫を一時的に可愛いがることはできる。
猫は可愛がってくれそうな人に懐く。


完全室内飼いではなく、放し飼いの猫が、たまに長時間~3日位帰って来ない場合は、“別宅の疑いが有り?”と言われてる。

とても人懐っこく可愛い猫が貴女のもとにスリスリ甘えてきた。よく見ると、首輪と一緒に飼い主の連絡先が明記してある迷子札が付けられてあり、飼い猫であることが判る。すぐに飼い主さんに連絡しょうとした。

受話器を持ち、番号を押しかけるが、猫は貴女の足元でスヤスヤ眠っている。思わず、顔がほころび、電話を止める。
「なんて可愛いのかしら。飼い主さん、ほんのちょっとの間だけ、お借りしてていいかしら? 後で必ずお返しするから・・」
そう言って、ふわふわの背中を撫でた。





美羽は36歳ひとり暮らし。しかし、美羽には懐いているというか居ついているオトコが居た。オトコは美羽よりひとまわりくらい年下だ。オトコのやわらかい髪を撫でる度に、美羽は身も心も癒されて幸せになる。

オトコは、いつも気まぐれに美羽のもとへやってくる。

美羽にだって都合はあるのにお構いなしだ。オトコの上目使いで悪戯っぽい媚態にかかると、つい美羽は許してしまう。オトコは罪深い“猫”である。

オトコを眺める度に思う。
「ホントによく手入れされてるわ。髪も体も」

オトコは美羽のベッドで眠っていた。オトコはいつも同じネックレスをしていた。気になって、指でそのネックレスを引き上げてみる。シルバーの板に文字が刻まれてあった。

takuya & aoi
ONLY LOVE
090 0707 0303

「はっはぁーん、takuya(オトコの名前)の“飼い主”ね」

美羽は、この番号に電話をしてみた。もちろん非通知設定にしてだ。すると、女の声の留守録案内が流れてきてaoiの携帯電話であることが分かり、すぐに切った。

まるで、猫の“迷子札”みたいだと思わず笑ってしまった。これは、オトコには“飼い主”が居ますとのアピールであろう。 美羽は“飼い主”のaoiに
「アナタのオトコは今ココに居て、私が大事に預かっております」
と、連絡してあげた方がいいのかしらと考えたが、それが最善の方法であるかのようには思えなかった。

常識ならば、早めにaoiにオトコを返してあげた方が良いのかもしれないと思った。どんなに心配して、彼を待っていることだろう。美羽は眠ってる彼を起こそうとした。しかし、この寝顔、美羽はもう少しだけ自分が独占していたいと思ってしまったのだ。猫のような気高さと気まぐれさがオトコの魅力なのだろう。だからこそ、aoiは気が気でないのだ。こんな“首輪”で、オトコを縛ろうとしている。

「ねえ、良かったら今夜は泊まっていかない?」
「ごめん! 約束があるんだ。もう帰るね。楽しかったよ。また来てもいいかな?」


その後もオトコは数日おきに美羽の元へやってくる。猫のようにフラッと気まぐれにだ。美羽もそれを楽しみにしているフシがある。いつ来るか分からないオトコを待ちわびるのも、醍醐味だったりする。待ち時間はちょっぴり苦いけど、その後の甘いひとときが忘れられず、この生活を続けている。2時間くらいしか留まらないこともあれば、ご飯まで食べていく時もある。が、どちらにしろ、オトコは必ず“飼い主”の元へ帰る。

切な過ぎて
「もうオトコを可愛いがるのを止める!!」
と、思うこともある。でも、部屋へ入れてしまうのだ。
そして美羽は思う。
「オトコが誰かのものだから。 野生的(ノラ)で所有者のないものより、誰かにキチンと手入れされているからこそ、愛おしく思うのか! 所有したいとは思いません。一時的に可愛がるだけって、いけませんか?」

(完)
※このストーリーはフィクションです


テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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