咲ク夜 ~妄想ライブラリー~
恋愛小説(連載・短編)他。妄想をカタチに・・危険な願望・・ フィクションの中にこそ真実があり!?
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B A B Y  D O L L ~第13話~「マリッジブルー」
幸せなのに、時折、憂鬱。 結婚って何? ミエナイ、チカラ? ココロとカラダは別物なんですか?


※この物語はフィクションです。興味のある方は、サラッと読んでみてくださいネ。


B A B Y  D O L L


~第13話~「マリッジブルー」


結婚を決意する時。目に見えないチカラに動かされてるのかもしれない。そしてその相手は、それは絶妙なタイミングで提示されるものだ。

「結婚相手はこの人でしかない!!」

恋とか、愛とか、好きとか、相性とか・・そんなもの・・、超越してる感じがする。きっと選んでなんかはいないのだ。ただ動かされてるだけなのかもしれない。

朋乃は、上岡課長と結婚することが最善のように思えた。以前、丸山部長から“結婚相手は直観で選んだ”と聞かされたが、まさにこのことを指すのかもしれない。


朋乃は丸山部長と2ヶ月ぶりに逢った。婚約発表後の初めての逢瀬である。さすがに、社内プレゼンのバトルが展開されてる間は、お互いに逢う事は避けていた。それは暗黙のルールでもあり、自分たちのチームが良くない方に影響することを避ける為でもあるし、何より誤解を招きたくなかったのだ。

朋乃は丸山部長の顔を見ると、ホッと力が抜けて、その大きな懐に抱かれたくなる。今まで、いかに緊張の連続だったと朋乃は振り返って思った。 婚約したことは確かに心から幸せだと思ってはいた。

だけど、今の朋乃は結構気疲れしている。時折、何とも言えない不安にも襲われる。皆から“おめでとう”と言われる。それは願ってもみなかったことだ。 その度に満面な笑顔で応える。もちろんそれは嘘偽りでなく、本当に幸福なことだった。が、1日が終わると、ドッと疲れてるのだ。

「はっははは~! それをマリッジ・ブルーって言うんだよ」
朋乃の一部始終を聞いて、丸山部長はそう答えた。
「こんなこと、親友の丸山部長にしか吐けないわ。皆、“朋乃は幸せで当たり前!”なんて思ってるから、これから先の不安な気持ちとか、弱音って・・・、絶対誰にも吐けないのよ」
「親友、復活か! この2ヶ月、私のことは無視して、ひたすら自分の幸福のみを追求し疾走してたくせにぃ~(笑) 都合の良いヤツだなぁ(笑) 今まで、何があっても強気の朋乃チャンだったろう!!(笑)」
「イジワル言わないで、助けてくださいよ~」

それから、朋乃は一瞬黙って、真剣な眼差しで丸山部長を見つめて小声で言った。
「今日・・・、抱いてほしいの・・・」
「な・・な・・、ダ・・ダメ・・だよ・・。そういうことは良くないよ。今日から、本当に“タダの親友”になろうよ。ねっ」
「何よっ! 丸山部長だって奥さんがいる身で”そういうこと”をしてたじゃなーい。女の朋乃は、やっちゃーいけない!って言うの!!」
丸山部長は痛い所をつかれて、困った顔をしている。弁明は出来るはずもない。“婚約者がいるのに倫理に反してる”などと言う、説教を語る資格もない。

「ごめんなさい。少し言葉が過ぎました。あのー、お願いします。“これで最後”にしたいんです。けじめは、必要じゃないかと思いませんか? そしたら、朋乃は・・後は、スッキリ“次ぎのステージへ”進めます」

二人は、お互い相手をいたわり合うように、丁寧に抱き合った。もっと、むさぼり合うものかと思ったのに、違っていた。

「相手を気持ち良くしてあげたい・・」
「相手の悦ぶ顔が嬉しい・・」

お互いが、そんな気持ちだったと要所に感じられる。これが本当の愛の行為なのではないか? そう、朋乃は思ったのだった。

「上岡課長とは全然違う!!」
実は、この思いこそが、朋乃が結婚生活を不安に思う原因の1つだったのだ。ココロとカラダの分離とも言うべきか。 上岡課長は、ベッドの上では、ちょっと自分本意な所があった。自分さえ勝手に満足すればいいんだろうかとも思われた。

夫婦生活は、結婚において結構重要な部分だ。しかし、回数を重ねれば(朋乃は未だ経験不足だし)、お互いがもっと努力するようにすれば、きっと解決するはずではないか? そんなことより精神面の方が大事ではないか? 精神面で何とか乗り越えることが出来るのではないか?と朋乃は考えていた。上岡課長は、心の繋がりでは申し分はなかった。

朋乃は、既に大きな流れの中に組み込まれてる気がしたので、個人的な理由で、あるいはくだらない(・・と思った)理由で、今さら、婚約を破棄することは出来無いと思ったのだ。

「まるで、最後の晩餐みたい」
愛しい丸山部長の腕の中で、たっぷりと愛を甘受し、味わいつくそうとしていた。


結婚式の準備は、思ったよりも大変だ。忙しい上岡課長に代わって、細かい打ち合わせの殆どは朋乃がこなしていた。
「やっぱ、仲人とか立てた方がいいんじゃない? ホラ、丸山部長夫妻なんかどう? 理想の夫婦だし、是非お願いしたい所だなぁ~」
そう、上岡課長が切り出すと
「今はね、仲人を立てないのが主流なのよ。仲人さんになってもらう方も結構負担だろうし、結婚後もずっと付き合っていかなければならないのよ」
朋乃は、上岡課長の言葉に一瞬心臓がバクバクとなったが、平然を保った。結局仲人は立てないことにした。上岡課長も何とか納得してくれたのだ。


婚約が決まってから、朋乃は基礎体温を付けるようになった。結婚後、赤ちゃんは出来れば早く欲しいと思ってるので、自分の体のことを知る必要があると思ったからだ。避妊は上岡課長任せだが、いつもキッチリと真面目に装着していた。
「もう婚約も決まってるんだし、出来ちゃってもいいと思うんだけどナ」
と、朋乃は思っていたが、男のメンツ等もあるのだろう。


そうこうしているうちに・・
朋乃と上岡課長の結婚式の日がやって来た。

朋乃と上岡課長は、お似合いのカップルだとささやかれた。まるで、雑誌のブライダル・モデルのようだった。朋乃は友人たちの中で、“結婚トップバッター”だった。目標通りだ。

朋乃は、幸福感で一杯だった。そして優越感も。

「思い通りにならなくて辛い日々もあったけど、今はやっと悲願達成。幸せだわ!」
と、来賓席に座ってる丸山部長を見て、心の中で呟いた。すると、何故か切なくなって涙がポロりと落ちた。しかしその涙も、結婚式で感激して泣いてるのかと皆には思われた。

上岡朋乃 24歳 大安吉日。

<第13話終り 14話へ続く>

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

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